内容説明
日本には、同じようなミスを繰り返して患者を死に至らしめたり障害を残したりしながらも、何の制裁も処分も受けず、反省もせず、研鑽も積まず、診療を続ける医師(リピーター医師)たちがいる。しかし患者の側には、自分の主治医の過去を知る方法はない。著者は、数々の訴訟を手掛ける中で、偶然にリピーター医師の存在を発見し、平成15年元旦、リピーター医師放置についての国家賠償請求訴訟を提起した弁護士である。多くの被害例を扱う中で、日本の医療のお粗末な現状を目にし、被害者を法廷で個別に救済するだけでは足りないと思うに至った。本書では、その闘いの経緯から、リピーター医師問題の本質をとらえ、ミスを放置する厚生労働省、医師会、保険会社、大病院などの問題点を問いかける。また、医療ミスに遭わないためにはどうしたらよいかもアドバイスする。
目次
プロローグ 「リピーター医師」との出会い
第1章 リピーター医師の誕生
第2章 リピーター医師はなぜ医療を続けられるのか
第3章 「大病院」は安全か
第4章 改ざんされるカルテ
第5章 鑑定について
第6章 リピーター医師「国家賠償訴訟」へ
第7章 リピーター医師から身を守るために
エピローグ 三人目のリピーター医師との出会い
著者等紹介
貞友義典[サダトモヨシノリ]
1952年岡山県生まれ。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属弁護士。医療事件を中心に弁護士業務を行う。2003年、リピーター医師放置国家賠償請求訴訟を代理人として提訴。「陣痛促進剤による被害を考える会」「リピーター医師をなくす会」「東京女子医大被害者連絡会」などに顧問として関与。医療の質の保証を求めて、医師免許制度の運用の改善、免許更新制度の採用などを主張している
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