出版社内容情報
誰の手に渡り、何のために使われたのか?ヤマトタケルの遺愛刀から源平合戦の剛刀・利刀、そして将軍家の守り刀まで、五十振りの日本刀に息づくサムライたちの想いをたどる。
内容説明
すべての刀には、作られた、そして伝えられてきた時代の記憶が息づいている。名刀と呼ばれるものの場合、背負った歴史はとりわけ深い。平安、鎌倉、戦国、江戸といった躍動する時代のなか、数々の名刀は、はたして誰の手に渡り、いったい何のために使われたのか?草薙剣とヤマトタケル、七星剣と聖徳太子、童子切安綱と源頼光、骨喰藤四郎と足利尊氏、へし切長谷部と織田信長、鶴丸国永と伊達政宗…。本書では、神代から幕末まで、ただの刀が名刀と呼ばれるに至った由来と伝説をたどり、歴史の主人公たちが織りなす芳香な物語に想いを馳せる。
目次
神話・天皇家の名刀
源平の名刀
足利将軍家の名刀
武将・大名の名刀
徳川将軍家の名刀
伝承・怪談の名刀
著者等紹介
牧秀彦[マキヒデヒコ]
1969年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科(日本経済史専攻)卒業。(株)東芝経理部に6年間勤務後、執筆活動に専念する。時代小説を精力的に執筆。夢想神伝流居合道四段
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ほりちゃんの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつきネコ@中学入学した化け猫
11
歴史上有名な刀を紹介しており、某ゲームから入った人にはちょうどいい一冊。大半が知っていた逸話ばかりだが、某ゲームアニメに出ていた鶴丸国永がわからなかった。伊達政宗関係の刀と知れた。私としては列公斉昭が刀を写真で見れた事や、今剣の外装が柄は紫檀に沓は竹の輪違、鞘尻には唐草藤を巻くと詳しく知れたのは良かった。鬼切りと鬼丸を振り回す新田義貞は中二的にカッコいい。逸話や写真の好みとしては、、七星剣、小烏丸、獅子王、今剣、骨喰藤四郎、大般若長光、鉄砲切り兼光、石田正宗、葵崩し菊文太刀、日光助真、小狐丸、蛍丸国俊。2017/08/01
いよ
8
大学図書館で借りる。有名どころの名刀がかなり分かりやすく紹介されている。鬼切=髭切、蜘蛛切=膝丸で、ごちゃごちゃして分かりにくくなっていた刀も、大方理解できた気がする。刀の逸話だけ知りたいという人にも安心して読んでもらえそうな本だ。ここから、刀の魅力に浸かっていってほしいし、そこから新しい何かを考えみるのもいいかもしれない。読みやすい良い本だ。2017/01/07
風鈴
5
日本刀を美術的な面からではなく、伝承でまとめている本。年代や勢力別にまとめていて、読みやすかった。しかし、出自のはっきりしない伝承や、歴史考察からすると矛盾するものも多いので、「刀の由来や名前はこう言い伝えられている」程度にとどめておくのが、いい模様。口絵に可能な限り写真載ってるし、巻末には専門用語の解説があって、親切な本でした。2018/01/10
寝落ち6段
3
名だたる名刀の来歴や伝説、名刀と持ち主たちとの関係などが紹介されている。アニメや漫画、ゲームなどにもモチーフとして取り入れられる名刀は、嘗ての人々が憧れを抱いたのと同じで、現代でも憧れるひとが多いのだろう。どうして、人は名刀に憧れるのか。武器としては芳しいものではないが、構えてみると格好いい。その芸術性もあるだろう。何よりも、誰々が使った、何々を切ったなどの箔が、人々に想像を与え、権威がついたのだろう。その名刀の歴史の真偽はともかく、名刀は必ず歴史を刻んでいる。2018/09/01
紫暗
3
作家として時代小説も書いている著者らしく、名刀をあらゆるエピソードから紹介している珍しい一冊でした。刀剣についてはその造りや特徴など解説した本は多く出ていますが、新書でこれだけ刀についての逸話のみをまとめたものは他にないのではないかと思います。日本の刀を造る技術の素晴らしさにも感動しました。2010/08/04