内容説明
今から一八〇年前の江戸時代、朝鮮の商船が遭難し、鳥取の海岸に漂着した。船員たちは当時の鳥取の民衆に手厚くもてなされ、三か月間の滞在を経た後、無事朝鮮に帰ることができた。鳥取藩のお抱え絵師がこの様子を描写した掛軸を、一九九三年、当時鳥取県の総務部長だった片山善博が目にしたことから、漂着民たちの子孫探しがスタートする―。本書では、鳥取県知事・片山善博へのインタビューを通して、この一幅の掛軸から深まった鳥取県と韓国・江原道との交流を中心に、北朝鮮、中国、モンゴル、ロシアとの関係を紹介しながら、国と国との外交を変える力を持った、地域同士の結び付きについて考える。
目次
第1章 それは一幅の掛軸から始まった
第2章 漂着民の子孫探し
第3章 掛軸に秘められたミステリー
第4章 現代に蘇る一八〇年前の友情
第5章 私と韓国との出会い
第6章 鳥取県と韓国・江原道との交流
第7章 北朝鮮を含む近隣諸国との交流
エピローグ 地方は外交を変えられるか
著者等紹介
片山善博[カタヤマヨシヒロ]
1951年岡山県生まれ。’74年東京大学卒業後、旧自治省入省。能代税務署長、鳥取県財政課長、自治大臣秘書官、自治省国際交流企画官、鳥取県総務部長、自治省固定資産税課長、自治省府県税課長などを経て、’99年鳥取県知事に当選、現在に至る
釼持佳苗[ケンモツカナエ]
1968年千葉県生まれ。日本女子大学卒業後、フリーライターに
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