内容説明
東京・飛島山公園の展望台で平凡な主婦・井上典子が、売店のアルバイト学生・矢部富美子に刺殺された。典子には人に怨まれるようなところはないし、富美子は東大に学ぶエリート学生だった。2人にはまるで接点がなかった。動機なき衝動殺人とみなされたが、その裏に恐るべき都会の狂気が隠されていた…《展望塔の殺人》。緑色を異常に嫌悪する男の失われた記憶とは?《緑色の死》。逃げても隠れても電話のベルが追ってくる恐怖《都市の声》。ある朝、やり手で鳴る商社の重役が黒いハイヒールを前に発狂していた《発狂する重役》。鬼才が全力投球で描いた極上品ぞろい!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アクセプター
1
展望塔が怖かった。精神面が成長しないというか、歪んで育つ人間、絶対無いとは言い切れない怖さがありました2013/08/18
二分五厘
0
1987.9.24
にやり2世
0
この時代の世間の志向と犠牲について書かれた島田作品を読むと胸が痛む。事件の真相を示すあの語りのパターンではドキドキするな。2016/08/08
ココアにんにく
0
19971205読了 GB借
REIKO
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★★★☆☆島田荘司、初読短編集。モノクロで割り切れない不思議な人間模様を島田荘司風に味付けした作品。当時の風刺と思われるネタが沢山あって意外だった。時代に左右されない人だと思ってたから。良くも悪くも昭和時代の歪みが表現されていた。2013/09/19