感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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5
宇能鴻一郎氏の別ペンネーム。美食家でもある氏のグルメミステリもの2作目。事件の捜査の合間に出てくる料理の数々に登場人物たちが舌鼓を打つ描写にかなり力が入っており、思わず唾をのむばかり。ストーリーのミステリ的な趣向はさながら刺身のツマのように些細なものであり、著者のことばにもあったが読み飛ばしても全く問題はない。さらに各章の冒頭には、登場する料理にちなんだ実在の店の名前と電話番号が紹介されていて、グルメガイドにもなっている。今も変わらず営業している店はいくつあるのかしら(本書の刊行は1984年)。2012/09/26