感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨコケイ
1
冒頭で、薄幸な飲み屋の雇われママが都会から来た男と結ばれる生々しい場景が描かれる。余命宣告を受けた資産家の社長が、関係者(一人息子や弁護士、共同経営者、支援している音楽家など)を集め遺言を公開、30年前、貧苦ゆえ捨てた長女(先妻との子)を捜すよう一同に依頼する。一方、長女を利用せんと企む者たちが策動し、やがて彼女が発見されるのだが…。遺産の行方を左右する〈女相続人〉を軸に、利害関係者の思惑が思わぬ事件を生んでいく(にしても清々しいほどの大量殺人だぜ…)。犯罪小説と仏ミステリを混ぜたよなトリッキーな味わい。2024/11/25