出版社内容情報
周知のように神道は明治維新から第二次世界大戦敗戦までの数十年間をのぞいて、自然信仰(アニミズム)や仏教と融合(習合)し、日本人にとっていわば根源的存在(血・肉・骨)となっている。それは習俗、儀礼、ならわしなどとして、合理的デジタル社会となった現在でも習慣的に行われているし、人気アニメの舞台として取り上げられた神社がいわゆる「聖地」と言われ、多くの若者を中心に絵馬の奉納を目的とする「巡礼」が流行し続けている。また環境問題が語られるとき必ずと言っていいほど「鎮守の森の思想」や「式年遷宮」といった神道に関することばが取り上げられている。本書は、気鋭の神道学者による幅広い視野から書き進められた一般向け教養書といえよう。
内容説明
これで「神社」と「神道」がわかる―。神道が育む共生の智慧、日本文化の基盤に息づく姿、神社が果たしている現代的な役割を知る。日本神話にはじまり、森や動物、地名、建築、疫病、相撲、天気など幅広いジャンルとのかかわりを取り上げ、その「多面性」を明確にする一般向け教養書。
目次
多様性を許容し合う社会―神道理解の可能性
日本神話が伝える豊かな世界観―今を生きる私たちへのメッセージ
日々、神々を祀り、神を丁重に敬う―清く明るくより良く生きる
神道を暮らしに活かす―いま一度知りたい「神社の役割」
人々の暮らしと神社―いつも見守り安寧をもたらす
少子高齢化の進行と過疎化―地域の宗教施設が直面する課題
元気な子供の声が聞こえる鎮守の森―神社での「人間教育」
神前を守護するさまざまな「神使」―地域神社の由縁や人々の祈り
工匠の技で築く―「文化共存の姿」
感染症の厄難と神社―防疫を願う人の心に寄り添う
あらゆる場所に神を祀り安寧を願う―現代社会における鎮守の神
相撲の歴史と神道―五穀豊穣を祈念し、豊凶を占う
民間信仰で奉斎される石碑や石塔―神々の共生の姿
貴重な資材をよりよく生かす―式年遷宮に見る持続可能な開発
未来を共に―なくてはならない自然の恵み
動植物の彫刻で精神世界を伝える―時代とともに発展を遂げた社寺建築
平和・幸福を希求―人々の祈りと神社とのつながり
地名と神社―歴史や伝統を後世に残す努力を
御神木・地域の森林の大切さ―いかに後世に守り伝えていくか
豊かな実りをもたらす神助に感謝―神々と酒との縁に思いを馳せる〔ほか〕
著者等紹介
藤本頼生[フジモトヨリオ]
昭和49(1974)年、岡山県生まれ。國學院大學神道文化学部教授。國學院大學大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(神道学)。平成23(2011)年に國學院大學神道文化学部専任講師、同26(2014)年に准教授となり、令和4(2022)年より現職。公益財団法人世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会平和研究所所員、一般財団法人神道文化会理事などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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明るい表通りで🎶
Ohe Hiroyuki