出版社内容情報
「何かと失敗や間違いの多かった人生に、その終盤に生半可、ではない決意が私には必要だった」。60代後半にタイで出家した直木賞作家に何が起こったのか…本書は、著者がタイ国、チェンマイの古寺にて出家して1年が経つ頃と、それからさらに1年半余りが経過した頃、寺の副住職と連れ立って日本を旅した記録であるとともに、生き直しへの決意表明でもある。古希の老僧(著者)と35歳のマザコン副住職のけなげで可笑しい珍道中は、文化や国民性、道徳観の違いが分かる「仏教文化エッセイ」といえよう。満員電車に戸惑い、街では女性を避けて歩き、東京タワーや新幹線にビックリ。東大寺や増上寺でご本尊に五体投地…タイ仏教の経文や戒律が日本仏教とは大きく違うことが読み通すことでよく分かる。全体にちりばめられた筆者の心境は印象に残る。母の生家でのタイ仏教式の追善供養のシーンは感動的。後悔、悲歎、絶望ののちに出家。そしてこれからの人生をどうするのか――新鮮な「団塊の世代」論ともなっている。
内容説明
タイで生き延びて出家した老直木賞作家の帰国旅。日本初体験のタイ僧“副住職”とワケあり日本人僧が織りなすオロオロ道中!不思議な縁に導かれ、マイ・ペン・ライ!でゆく「仏弟子」たちが各地で出くわした日本の姿とは…。人生やり直しの法と、魂の救済を求めて歩く!
目次
第1旅 アーチャーラ・コーチャラの奈良、京都、そして
第2旅 アニッチャー・アナッターの旅跡―東京から海へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
2
日本からタイへ出家した著者がアーチャーと二人で京都と奈良を旅する本。今思うと何故借りたか思い出せないが、面白かったです。著者は過去に直木賞も受賞している。あとがきが、個人的には響きました。2024/01/10
あおい
0
旅行記は面白いが出家したのの言い訳がクドイ。けど、いつまでも咎めているのは自身。あわせ鏡の伴侶を2人も裏切ってw逃げ出しているのだから出家でもしなきゃ帳尻が合わないよねw上司を建前にしてるけどコロナ前に日本旅行して大流行時に認め、上梓。上司に感謝も大事にもされ捨てた俗世間には申し開きが立つ。おめでとう。あとは…還俗のタイミングねwアーチャーンさんが見抜いてたけど新米僧といえど”アーチャラコーチャラ”がいつまでも身につかないのは覚悟が足りないから…失くした面目を施すのはあと数年は修行しなきゃ、頑張れトゥルン2025/05/28
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- 和書
- 防災工学 (第2版)