出版社内容情報
法然上人(1133-1212)の生涯と思想を紹介しながら、その生き方や考え方が現代に生きる私たちにどのような示唆を与えてくれるのかを解明する。「いかにして仏教を人生に活かすか」を長年探究してきた著者の思索の集大成。
内容説明
すべてを阿弥陀仏におまかせすればいい―“死んだほうがましだ”、“もう少し生きたい”などと考えずに。「阿弥陀仏はあらゆる衆生を救わんがために、ただ称名念仏という一つの行をもって、その本願とされた」(『選択本願念仏集』)
目次
第1章 法然の魅力
第2章 比叡山における修学
第3章 法然の念仏理論
第4章 浄土門の教えを説く法然
第5章 法然教団への圧迫
第6章 流罪の法然
第7章 法然の最期
第8章 現代と法然
著者等紹介
ひろさちや[ヒロサチヤ]
1936年(昭和11年)、大阪市に生まれる。東京大学文学部印度哲学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程修了。1965年から二十年間、気象大学校教授をつとめる。退職後、仏教をはじめとする宗教の解説書から、仏教的な生き方を綴るエッセイまで幅広く執筆するとともに、全国各地で講演活動を行っている。厖大かつ多様で難解な仏教の教えを、逆説やユーモアを駆使して表現される筆致や語り口は、年齢・性別を超えて好評を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かに
5
法然の生涯と教えについて。出家者のみを対象とした国家仏教ではなく、大衆に向けた仏教を広める。 念仏を唱えれば、阿弥陀仏が救ってくれる。 生活は「快適さ」の上に築かれる。人生は「苦しみと悲しみ」の上に築かれる。人は人生に苦しみと悲しみを学びにきている。人生とは苦しいもの。お金や権力や生活などは一時的な楽である。手に入れたものはいずれなくなる。永遠なものではないものに執着せず、人生は苦しいものと認識して生きていく。2023/02/10
天使の奇跡
1
仏の物差しと世間の物差し。仏の物差しには目盛りがない、だから測らない、軽量しない、大小を比較しない。今の日本人は、あくせく、いらいら、がつがつ、法然の教えは、のんんびり、ゆったり、ほどほどに、そのまんまそのまんま。ありのままでいる、このまんまとそのまんまの違い!2023/08/15