出版社内容情報
自然に四季があるように、人生にも様々な季節がある。当代一の尼僧が、季節の詠み込まれた和歌・漢詩を繙き、過ぎた月日を内観する。
一月 初詣
一の心、初の心、正の心で
柳のように、しなやかに
沈黙の響きを聴く??勅題「静」によせて??
二月 涅槃絵
求道へ、利他行へと大欲ばりに
がんばらず和してゆこう
鬼を出さず、仏を出して生きてゆこう??節分に思う??
三月 彼岸
彼岸、此岸は地理的問題ではない
中身さえ本物で、豊かならば
利行は一法なり あまねく自他を利するなり
四月 降誕会
生命の尊さにめざめる
散ればこそ、いとど桜はめでたけれ
たった一度の命を何にかけるか??択ぶ目が人生を決める??
五月 端午の節句
場が人をつくり、人が場をつくる。
国際人とは無国籍人になることではない
「どれだけ生きたか」より「どう生きたか」を問え
六月 雨安居
生涯学習の機会を持ちつづける
?仏はどう見るか?を考える
「南無病気大菩薩」と病気を拝んで
七月 盂蘭盆
盂蘭盆の心。正しいものの見方によった、安らかな人生の日々を
?泥多ければ仏大なり?蓮の語りかける言葉を聞こう
変わりつつ永遠の生命を生きる
八月 施餓鬼
お施餓鬼の心。足るを知らない人間の欲の方向転換をこそ
気をつけて、落ちつきて、美しき人になりたく候
修行僧を拝み、修行僧に育てられての日々
九月 彼岸
彼岸を迎える心??ほんとうの供養とは??
うつろいゆくすべてをたのしむ??仏教の無常観に裏打ちされた日本人の心??
ひとしく仏の御命をいただいて
十月 達磨忌
今ここに姿勢を正す
「火」といっても口は火傷しない??事実と観念は違う??
声や音は人格をあらわす
十一月 十夜念仏
全身をあげての念仏こそ
時間をかけなければ熟さない??「百不当一老」の言葉によせて
死にきった世界から、人生をふり返る
十二月 成道
釈尊成道は、今日只今の私の課題
いつ死んでもよいという今の生き方と、いつでも出発点という今を生きる??人生を円相で考える??
いつ終わりが来てもよい、今日只今の生き方を
青山俊董[アオヤマシュンドウ]
著・文・その他
内容説明
一日一日、どれだけ生きたか、より、どう生きたかを自らに問いつづけて生きたい。欲に振り回される人生よりも、自分自身が主人公となって向上してゆく一日のほうが、はるかにすばらしい。その尊い一日の積み重ねが、美しい人生を形づくるのだ。
目次
一の心、初の心、正の心で
柳のように、しなやかに
沈黙の響きを聴く―勅題「静」によせて
求道へ、利他行へと大欲ばりに
がんばらず和してゆこう
鬼を出さず、仏を出して生きてゆこう―節分に思う
彼岸、此岸は地理的問題ではない
中身さえ本物で、豊かならば
利行は一法なりあまねく自他を利するなり
生命の尊さにめざめる〔ほか〕
著者等紹介
青山俊董[アオヤマシュンドウ]
1933年、愛知県一宮市に生まれる。五歳の頃、長野県塩尻市の曹洞宗無量寺に入門。十五歳で得度し、愛知専門尼僧堂に入り修行。その後、駒澤大学仏教学部、同大学院修了後、曹洞宗教化研修所を経て、64年より愛知専門尼僧堂の講師として就任。76年より堂長、84年より特別尼僧堂堂長および正法寺住職、無量寺東堂も兼ねる。後進の育成はもとより、参禅指導、講演、執筆に活躍するほか、茶道、華道(教授)を通してわかりやすい禅の普及に努めている。2006年、女性では二人目の仏教伝道功労賞を受賞。2009年、曹洞宗の僧階「大教師」に尼僧として初めて就任。明光寺(博多)僧堂師家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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