内容説明
戦争が、すべてを奪った。神楽坂の町も、人も、小さなちえちゃんも。戦争にひきさかれた二人の女の子の友情。
著者等紹介
山口節子[ヤマグチセツコ]
絵本作家。東京都生まれ。日本児童文学者協会会員。日本ペンクラブ会員
大畑いくの[オオハタイクノ]
絵本作家。神奈川県生まれ。アメリカ・ウエスタンワイオミングコミュニティカレッジで油絵を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みゃーこ
58
神楽坂の赤城神社の神楽殿の囃子太鼓、大平洋戦争の空襲で荒涼となった焼け跡に銀杏木が一本、時を越えて眠るちえちゃんのおはじきが記憶の底からよみがえる、光と色彩のファンタスティックな絵と描写が美しい2013/08/21
すず
7
仲良しだったともちゃんとちえちゃん。ふたりがいつもしていたおはじきあそび。神楽殿のお囃子。大銀杏の木。戦争により離れ離れになった二人だけれど、数十年の時を超えてまた会える、少しファンタジーのようなお話。土から掘り出したおはじきの塊を抱きしめ「だいじょうぶ。もう、戦争はおわったのよ」と孫のそらに言う。けれど私たちはこの事を忘れてはいけないのだと改めて痛感。2015/08/29
niaomi
6
<学校からの平和についての読み聞かせ依頼にて、本探し中>戦争で埋まったおはじきを孫娘と掘り起こした途端、戦時中にタイムスリップ〜仲良しの友達と会う事ができた。現代に戻って来て「だいじょうぶ。もう戦争は終わったのよ」とおばあちゃん。平和の有り難さを噛みしめる。2015/11/03
Wisteria
5
「ほのおにつつまれた神楽殿で、おかめのおめんをつけたちえちゃんが、ひとり、おどっています」…怖すぎます、これは。ちえちゃんには悪いがゾゾゾーッときた。今晩夢に出てきそう。最低だな、私は。2018/03/23
ヒラP@ehon.gohon
0
大空襲に見舞われた町。 その町の子どもたちと遊びは切り離せません。 これまでにお手玉やおひな様や子どもたちの遊びと結びついた戦争絵本を見てきました。 それぞれに悲しいし、現代の子どもがそれを回顧するスタイルは同じです。 それだけに戦争の悲惨は、自分たち子どもとも無縁ではなかったことを伝えることが重要なのでしょう。 この絵本の舞台は東京の神楽坂。 都心でもあの昔ながらのたたずまいを残す神楽坂も、大空襲に見舞われたのだと言うことを改めて知りました。 2012/11/08