内容説明
仏教を紐帯として集まった各分野の研究者が、現代社会の問題を解決するための試案を提示する。
目次
序章 いま、生き方が問われている
第1章 「抜苦」から「与楽」へ‐臨床の仏教から「法華経」の一乗精神への視座―仏教
第2章 いのちの尊厳と「共に支え合う」社会の実現に向けて―人権
第3章 環境制約の時代を生き抜く智恵―環境
第4章 平和への道‐戦争と平和―平和
第5章 引き出す教育‐人格の完成へむけて―教育
第6章 「仮」なる生命を見守る力を育む‐考える生命から、感じるいのちへ―生命倫理
第7章 「企業倫理」を踏まえた生き方と社会的使命―企業倫理
第8章 経済活動における競争の倫理―経済倫理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
1
自分のことを語る、つまり利己的な語りについて雄弁であることは、世間的にも受け入れられやすいが、政治や宗教など他者を前提とした利他的な語りは、日常会話として最も受け入れられにくく、避けられがちになる。ここに、大まかに言って、現代社会の大きな問題が孕まれているような気がする。宗教やそれに基づく倫理等ということ自体が欺瞞であり、警戒感さえ抱かれてしまうというのが実態であり、その理由がどこにあり、どのような解決策が望まれるかといったことについて、義務と責任という言葉をきっかけに、考えてみる必要があると思われた。2015/04/01