内容説明
退歩なくして進歩なし。進歩一辺倒によち行き詰まる現代日本、それを打開する唯一の活路とは。
目次
第1章 「退歩」とは何か、なぜ必要なのか
第2章 徹した思想「一つ」
第3章 内側発想入門
第4章 仏教が説く善・悪
第5章 足るを知る心とゼロ成長への軟着陸
第6章 物の心を察する、物との会話
第7章 簡秀技術と消去法
第8章 ディジタル化と人間の傲慢
著者等紹介
森政弘[モリマサヒロ]
1927年(昭和2年)、三重県生まれ。名古屋大学工学部電気学科卒業。工学博士。東京大学教授、東京工業大学教授を経て、東京工業大学名誉教授、日本ロボット学会名誉会長、中央学術研究所講師、NPO法人国際ロボフェスタ協会特別顧問、ロボコンマガジン編集顧問。ロボットコンテスト(ロボコン)の創始者であるとともに、約40年にわたる仏教および禅研究家としての著作も多い。NHK放送文化賞、紫綬褒章および勲三等旭日中綬章、ロボット活用社会貢献賞ほか受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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千本通り
2
あとがきを読むと東日本大震災が書く契機になったようで、自然に対する畏敬の念と敬虔な姿勢を取ることが書いてある。「退歩」という言葉は仏教の禅宗の言葉で「歩を止めて座禅をして心を落ち着ける」ということだそうだ。著者は40年以上前に禅の師の助言もあって「千輪車の発想」という本を出しているが、今回はその思想の延長線上にあるものと考えられる。なお、著者はその後「仏教新論」「般若」と続けて「仏教哲学三部作」を世に出している。2023/11/04
のたり
2
「一行書感」進歩と退歩コインの裏表。窓際の蝿知らねば藻掻くばかりなり。月月火水木金金毎日が日曜日。一人殺せば殺人百万殺せば英雄。反対語ばかり載ってる漢字典。手を打てば賽銭箱が口開ける。手を打てば締まる宴会蕎麦うどん。仕事の鬼は遊びの天才。Uターン雨が甲板洗濯す。交響曲ヴィオラしっかり内助の功。善悪を超え向きにならずに無記になれ。かみさんの言葉鼓膜に振動す。遠隔操作機とお喋りしてる核燃棒。老い一人電子レンジに話しかけ。本を読む乱読熟読ページを捲る。2022/07/28
mondo
2
ロボコン創始者である森先生の技術開発に対する姿勢を綴った一冊。人間としての生き様としてこのような見解が必要になってくるだろうという予測を仏教の教えと絡めて紹介しているため、彼の技術的な考え方を知りたい方には少し的外れかもしれない。【印象に残った言葉】国民に最大限の自由を保証する自由主義国家は、犯罪多発国でもあることを認識すべきです。自由保証の半面には、一定限度の犯罪発生の不可避性を冷厳に認めなければならないでしょう。犯罪が全くない社会とは、自由も競争も人間性も全く認められない暗黒の社会なのです。2020/12/24
ご〜ちゃん
2
カンニングOKの試験の話が、面白かった。勉強もさせられるし、実力もはっきりわかる試験の方法だ。2014/01/21
もと
1
内側思考、外側思考2022/01/10