内容説明
ゴータマ・ブッダの脱人格化は可能か?信仰から論理へ―。言語化され有機化された仏教思想。その本質をラディカルに問う、仏教学の新たな地平を切り拓くシリーズ。
目次
第1章 ブッダとゴータマ・ブッダ(釈尊)
第2章 最初期の仏教とその時代背景
第3章 最初期の仏教の思想的特色
第4章 根本思想としての縁起説
第5章 各支縁起説の展開
第6章 ゴータマ・ブッダと縁起説
著者等紹介
並川孝儀[ナミカワタカヨシ]
1947年(昭和22年)、京都府に生まれる。佛教大学大学院文学研究科仏教学専攻博士課程満期退学。博士(文学・佛教大学)。専攻は原始仏教・アビダルマ(部派)仏教。インドのジャワハルラル・ネルー大学客員教授などを経て、佛教大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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晩鳥
1
ブッダは当初、ゴータマ・シッダールタだけを指す言葉ではなかった。初期経典のブッダの語はゴータマ・シッダールタ以外のブッダの言葉も含まれている。/我々が知っている仏教はブッダの死によって始まった。/初期仏教はこの世においてどうするかという教え。/仏教の様々な思想は最初からあったのではなく、徐々に作られていった。/ブッダが悟った内容は縁起なのか? 本書では縁起を中心に仏教思想が語られている。2022/01/23
哲学者ゲリノビッチ
0
原始仏教の考えとして浸透している教えの中にはブッダ入滅後に弟子たちによって再構築されていった部分も多い。ブッダはどこまでを語ったのか…その境界線を「スッタニパータ」などの初期経典を紐解きながら探っている。後半半分は「縁起」について論じられています。しかし縁起思想を現代風に再解釈し、仏教から社会へ何かを提示しようというあとがきの部分でどうも首を捻りたくなる…2010/12/25