出版社内容情報
チャプレンとしてホスピス患者の心のケアに努める著者が見つめ続けた、数々の「生と死のドラマ」。生命の尊厳と終末期医療のあり方を問い直す一冊。日野原重明氏推薦。
内容説明
チャプレンとは、施設で働く宗教家のこと。本書は、薬剤師であった著者が、神学校に入り、米国の大学院で心理学・カウンセリングを学び、帰国後チャプレンとしてホスピス患者2000人の心のケアに携わる生と死のドラマである。
目次
第1章 ホスピスで見る生と死
第2章 使命への道
第3章 病める人の思いと関わり
第4章 家族の悩みとその援助
第5章 人生の終末期において大切なもの
第6章 よき援助者として成長するために
第7章 自分らしく生きるとは
第8章 心のケアの働き―チャプレンの世界
第9章 そして、私のこと―癒しへの道のり
著者等紹介
沼野尚美[ヌマノナオミ]
昭和31(1956)年、大阪市生まれ。病院薬剤師から病院チャプレンに転職。淀川キリスト教病院、姫路聖マリア病院などを経て、現在、六甲病院緩和ケア病棟勤務
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感想・レビュー
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海
1
4/5点。21歳で旅立った男性。退院していく人達に心の底から祝えない自分に罪悪感を持っていた。信仰に目覚めてからそんな自分も受け入れられるようになった。「人間の本当の幸せとは、心が自由であること。心が憎しみ、妬み、怒りから自由に解放されていること。キリスト教信者になっても羨ましい気持ちはある。でも『そんなぼくと、イエス様、一緒に生きて下さい。心から退院おめでとうございますと言える気持ちを下さい』と祈る今は全然違う。自分が素直に生きれるっていいね。そのほうがずっと生きるのが楽になった」2017年読了。2019/07/16
Koji Takahashi
1
死に対する考え方が変わった。癌で余命6ヶ月… 人に上手く支えられながら人生を生ききる、命を使い切る。どの様に命を使い切れるだろうか?まだ自分の「使命」が明確ではない。著者の様な生き方に憧れる、人に感謝し感謝される生き方をしたい。2015/04/13
かしわもち
1
読んで、とても優しい気持ちになりました。筆者の愛にあふれた人柄が、文章に滲み出しています。筆者がチャプレン(宗教的心のケアを行う人)として働き、様々な患者さんやスタッフに出会い、経験したエピソードを交えながら、感じたこと思ったことを述べたエッセイ。生き方、死に方、看取り方、働き方、人とのつきあい方、愛について考えさせられた。同じような職場で働いているだけに、いろいろと気づかされることがあった。自分の考えが浅いことにはっとしたりした。また、職場が何であれ、人は必ずいつか死ぬし、身近な人もいつかは老い、病み、2012/04/17
まい
0
論文の参考文献として読了。2018/09/18