内容説明
真言宗を開いた弘法大師空海が創建した霊場・高野山は、真言密教の聖地であるとともに、民俗の宝庫でもある。見るもの、触れるものの多くが、民俗的な色彩にあふれている。その山内でとくに尊崇されているところは、大師の御廟がある奥の院である。万余にのぼる燈篭がかかげられた燈篭堂、数十万といわれる墓原の供養塔。奥の院はまさに、荘厳な霊的世界を現出し、参詣する人びとの心を打つ。その霊域を民俗学の視座に立って解説・ガイドする。
目次
奥の院の構成(一の橋 大渡橋;中の橋 手水橋;御廟橋 無明橋)
奥の院の諸堂(燈篭堂 拝殿)
主な石塔(墓塔の構成;崇源院殿の墓塔 一番石;持明院墓地の六角宝塔;高麗陣敵味方供養塔;『南山奥之院諸大名石塔記』)
拝殿の燈明信仰(燈明信仰;奥の院の浄火)
その他の民俗(蛇柳;玉川;弥勒石;天鳥)