廣済堂ライブラリー
遺伝子vsミーム―教育・環境・民族対立

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784331850053
  • NDC分類 467.2
  • Cコード C1045

内容説明

人類進化を操っているのは遺伝子だけではない。現代の社会問題の根底には、生命を伝達する遺伝子と、文化を伝達するミームの緊張関係がある。

目次

第1部 ミームとはなにか(メディアのミーム学;知識という生命体)
第2部 遺伝子とミーム(利己的な複製子たち;ミームの恋愛;老年期の役割)
第3部 文化の脊椎動物になるために(伝えることの意味;原罪としての環境問題;民族対立を越えて)

著者等紹介

佐倉統[サクラオサム]
1960年、東京都生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。現在、東京大学大学院情報学環助教授。もともとの専門は進化生物学だが、科学史や科学論の領域に焦点をうつし、生物学の理論受容史や科学技術と社会のあらまほしき関係を探求中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒダン

10
人間の脳を培地にする文化の自己複製子をミームといい、それを遺伝子とのアナロジーを用いつつ考える。ミーム学の最大のポイントは文化を進化するシステムとみなす点にあり、問題の解決には不向きでも問題の発見には役立つそうだ。従ってミームの紹介の後で教育・環境問題・民族対立についてミーム学の観点から問題が提起されるが、解決はしてくれないので満足しにくい論述になっている。そのため最も印象に残ったのはDNAは二重らせんのうち一本は突然変異率が低く、もう一本は高いから失敗を恐れず試行錯誤できるという純生物学的な知識だった。2015/02/17

5
人間は、加齢に伴って遺伝子の乗り物としての価値が下がっても、ミーム(文化)の乗り物としての価値は下がらない。だから歳をとって遺伝子を残せなくなっても、ミームを残せばいいのである。幸い、現代ではインターネットの普及によって、ミームを残すのに適した環境が整っているので、それを使わない手はない。さらに超高齢社会に突入している日本では、ミームを後世に伝える老人の役割はひときわ重要になっている。だから老人にはミームによる文化の進化の促進に貢献していってもらいたい。頑張れ、老人!2016/07/24

ステビア

5
充実のブックガイドがうれしい。2013/11/14

1
RNAワールドからDNAワールド、その次点としてミームワールドへの発展予測が印象的でした。 人間の進化的センスが環境問題をはじめとする諸問題の原罪として書かれていて、それを抑止するのも高い可塑性を持ったミームの存在であると。 紀元前16世紀から現代まで、広範囲でのミームの影響がわかりやすく入門にちょうど良かった2014/10/28

madofrapunzel

1
ページ数が少ない中で、総論・各論と広い範囲を述べようとする作者の意気込みはすごいと感じました。 「ミーム」自体の概念についてはそもそもの生みの親のドーキンス、それからブラックモアを、各論については何を読もう…。 とにかく、「ミーム学」への誘いとなることは、文系の私からしても間違いが無いと思います。 村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」からの引用があったのはとっても嬉しかったです!★★★☆☆2011/02/25

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