廣済堂文庫
お父さん、フランス外人部隊に入隊します。

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  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784331654996
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

卒業旅行に向かった自慢の息子が、そのまま姿を消した。大学卒業を目前に就職先も内定し、すべては順調のはずだった。息子のなにをわかっていたのか。煩悶する父に、フランスから届いたのは、たった三行のエアメール。すべては、そこからはじまった。フランス外人部隊―。自らの意思で兵士となった息子は、「小市民」と決めつけたつもりの父への思いを捨て切れなかった。父はそんな息子を、「刹那主義」者だと思いながら、ただ、無事だけを願った。父と子、それぞれの思いは、手紙に託され、つながれていった。

目次

手さぐりの対話
パリからの手紙
砕けた平穏
志願します!
父の煩悶
ケピ・ブラン
明るい知らせ
ギアナの暑熱
小市民的人生
桜花
除隊、それから
文庫のための短い終章 子わかれ

著者等紹介

駒村吉重[コマムラキチエ]
1968年長野県生まれ。1997年から1年半モンゴルに滞在。帰国後から執筆活動に入る。2003年『ダッカへ帰る日』で第1回開高健ノンフィクション賞優秀賞を、2007年『煙る鯨影』で第14回小学館ノンフィクション大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ずっきん

46
父と息子のぶつかり合いと、親としての後悔と葛藤。とりあえずパラパラとしたら、直前に読んだ『仏外人部隊のすべて』の座談会に出てる戸森(仮名)さんの話だった。戸森さんの発言を先に読んでなければまた違ったかも知れないけど、ライターさんが持っていこうとする方向がちょっと見え見えかなあと。しかし、息子さん、よくこの若気の至り全開の書簡の公開をOKしたなあ。黒歴史だろうに。2018/08/02

ふろんた

29
フランス外人部隊に突然入隊したのは強い意志というよりが必然的な流れだったのか。軍人生活の話ではなく、手紙のやりとりによって、父と子の関係性が浮き彫りになっていく。親子で腹を割って話すということが自分にもできるのだろうか。空いてしまった、先延ばしになった親子の距離感については考えさせられるものがある。2014/04/04

ヨータン

16
すっきりしなさが残りました。直感とは言え、なぜフランスの外人部隊なんだろう。究極まで体と心を鍛えたいなら、他にいくらでも方法はあるはずなのに。両親や大切な人をこんなに心配させてまでなんで?と思ってしまいました。信じられないくらい過酷な訓練を乗り越えたのはすごいとは思いますが、両親の気持ちを思うと心が痛んでしかたありませんでした。2014/12/16

ふぇるけん

16
『お父さん、フランス人外人部隊に入隊します。』というタイトルの一文から始まる一通の手紙。大学生の息子が突然失踪して狼狽する両親だったが、手紙のやり取りを通じて本音を語りあう。個人的にはこの息子は親の保護や無言の期待というものを断ち切って自分の人生を生きたいと思ったのではないだろうか。そこにたまたま外人部隊というものが目に入ったので飛び込んだものと。最初は茫然としていた両親も次第に子離れして、大人同士の会話になってきて、お互いに相入れないところはありつつもそこに絆が生まれてきたように思えた。2014/04/07

仲本テンカ

15
男の子が男になった時に現れる、大きな壁としての父親。その父親を乗り越える為、雄一郎くんは家を出て行きます。たいていの場合、家を出るというのは「年一くらい会えればいいかな?」という距離感がとれれば十分だと思います。けれども、男になった雄一郎は無言でフランスへと渡り、なんと『フランス外国人部隊』に入隊してしまいます。雄一郎、なんて斬新!「親と子」から「男と男」への立場の変化を、これほど真っすぐに受け止められるなんて、カッコ良すぎです。ただ、こういう生き方は何かをこじらせかねないので、危険だと思いますけれども。2014/07/03

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