出版社内容情報
美という名の病に憑りつかれた8人の息苦しく必死で止まらない人生模様をベストセラー「触法少女」の著者が鋭く描く。
内容説明
人形のように美しくなりたい…。完璧な美を追い求めて手術を繰り返すココ。「何でブスに産んだのよ…」。美容整形の門をたたくためにIDを偽造する明日香。アンチエイジングに自分の存在理由のすべて賭ける女優の美沙子など…。「美」という名の病に取り憑かれた8人の人間模様が、美容整形外科・加々見クリニックを舞台に繰り広げられていく。著者渾身の連作短編集。
著者等紹介
ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961年、福岡県生まれ。イラストレーター、マルチメディアクリエイターとして活躍後『凶気の桜』(新潮社)で小説家デビュー。2006年、『遠くて浅い海』(文藝春秋)で第8回大藪春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
163
ヒキタクニオ!ここには人生がありました。【加々見クリニック】に訪れる人間の抱えている問題と整形外科医・加々見の施す手術によってその人間の本質を正すのが心地良い。加々見の別れた娘が40歳になって訪れた事で、背負っていたものから解放されるのもいいし、看護師・ラン丸の章ではツンと切なくなった。「人間は、自分の理解出来ないものを理解するよりも壊した方が楽だと考えるようだ」ラン丸のかつての上司の言葉に頷く。脂の履歴書の章は女の持つ『いやらしさ』全開だった。そして私には脂肪溶解注射より脂肪吸引しかないと・・汗2019/07/25
とこっぷり
22
美を追求する気持ちはすごくよくわかるけど、度が過ぎるとメンタルケアも必要ってことなのかぁ。ひとつ直すと他とのバランスでこちらも直したい、とエンドレス。そういうものなのねぇ。加々見先生のような整形外科医ばかりならいいのになぁ2022/09/27
パンダプー
21
美容整形をテーマにした連作短編集。お気に入りさんにオススメされて読みましたが、大正解。 テンポ良く面白くて小気味良い! なかなかの整形豆知識あり。こんな整形外科医がいたらいいなあ。早く寝なければいけないのに、面白くて一気読み。ヤバ!最後の章がちょっと蛇足ぎみに感じたけど、まあ、そこは個人の見解です。2019/06/14
カッパ
21
美に囚われた人達がでてくる。舞台は美容整形のクリニック。そここ医師である加賀美。おねえのラン丸。人形になりたいココなどなかなか刺激的である。そして、美に囚われたひとたちの裏には心の傷が隠れてる。私はダイエットのリバウンド王なのでその話は胸がいたくなった。なかなかリアルだからだ。私には興味深かった。2017/10/06
なな
20
ただ整形するだけじゃなく 心も治療する。こんな医者ばっかりならいいなー。ちょっと整形してみたくなる(笑)2022/09/15
-
- 和書
- 身分帳 講談社文庫