廣済堂文庫
家族趣味

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  • サイズ 文庫判/ページ数 310p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784331616109
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

夫と中学生の息子をもちながら家族も仕事も趣味と断言、若い男たちとの恋も奔放に楽しんできた主人公。そんな日常が突然、呆気なく壊れていく…。表題作をはじめ、宝石の虜になった女性の執念を描く「魅惑の輝き」、人望の厚いやり手課長の豹変を描く「忘れ物」など、人間の心の闇を抉った傑作短編5編。

著者等紹介

乃南アサ[ノナミアサ]
1960年、東京生まれ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て作家活動を開始。88年、『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作に選ばれる。96年、『凍える牙』で直木賞受賞。2011年、『地のはてから』で中央公論文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

47
安定した「病みの」ダーク。でも何かしら温度差が。発刊を見ると1993年。20年の時代感覚は人の狂気、病みの温度も変えていっているように思えた。人のあり様が無論。「魅惑の・・」の店長や有里子も時代がかっている。「彫刻・・」の恒春はさしずめライザップに走ったかも。「忘れ物」の課長・・現代の彼女なら更に見方も不気味に変貌しそう。「デジボウイ」の彰文、症状的にスタンプを押されるのかも。「家族趣味」昔も今も「家族病」に陥る人の狂気・・今はもっと先鋭的に深刻化しているかな。人・・独りで立つからこそ隘路に入りやすい。2015/06/28

シュラフ

31
不幸の具体的正体は貧困・病気・死亡などはっきりしているが、幸福の具体的正体というのは個々人の問題ではっきりしない。特に、豊かな現代の日本において一定の生活水準を得ている我々には幸福さがしというのは難しい問題なのかもしれない。なんでもないような日々平凡の幸福に感謝を忘れて、さらなる欲求を求めてしまうと天罰がくだり日常の生活というものがある日突然に壊れてしまい、その先にあるのははてしない不幸。なんとなくそんな崩壊の日を予感しつつも欲求をとめられないのが悲しい人間の性(さが)。そんな恐怖のショートショート。2015/12/17

ココ(coco)

29
☆☆☆★乃南アサさん、13冊目です。5話からなる短編集ですが、どれも甲乙つけがたく面白かったです。どんでん返しがある『忘れ物』、最後にオチがある『家族趣味』の他『デジボ-イ』『彫刻する人』も良かったです。2019/07/06

Yu。

28
人ってその想いが強くなればなる程に、だよね… と様々な形の欲望に取り憑かれた者達に待ち受ける天国と地獄が描かれる5つの毒味ストーリー。。。お気に入りは、深みにハマっていくのが解っちゃいるのに更に己を泥沼に挺していく姿にお気の毒を超えてもうアッパレ!な「魅惑の輝き」。2016/03/26

アコ

20
5篇収録のブラック系短篇集。どこにでもありそうな普通の生活をしているひとたちなのに、ふと思い詰めた先に心の闇に抱えているものが露呈されると…というもので読み応え抜群。いずれの篇も非常に作りこみの巧さがある!と感じながら読了。いい意味での「どういうことなの?!」を最も感じたのは『忘れ物』。次いで『デジ・ボウイ』。表題作は自業自得感があるものの、こういう家庭に憧れている人も現代には少なくないような気もして…。ほぼハズレなし。んー『魅惑の輝き』が若干劣るくらい。2016/06/12

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