内容説明
東海道は大磯の宿から平塚へ向かう道中を田舎くさいが懐具合のよさそうな旅装の若者がのんびり歩いている。さっそく目をつけたのが名うての美人道中師・お銀で、「もし、兄さん、助けて」と男に駆け寄っていく。修業のため、千両で道楽をしようと江戸へと向かった小田原の豪農の倅、夢介。怪力無双の偉丈夫だが、気はやさしくて善意のかたまりのような若者の「道楽修業」は東海道で早くも怪しい雲行きになるのだが…。山手樹一郎の代表作の一つと評される明朗時代小説の傑作!!
著者等紹介
山手樹一郎[ヤマテキイチロウ]
1899年、栃木県生まれ。編集者をへて作家となる。1940年、新聞連載した「桃太郎侍」が人気を博し、時代小説作家の地歩を固める。1944年、『崋山と長英』で第4回野間文芸奨励賞受賞。1978年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともくん
55
初読み作家。 820頁が一気に過ぎ去っていった。 まさに、時代小説の傑作。 今まで、読んでなかったのが悔やまれる。 分かりやすい勧善懲悪。 夢介とお銀の睦まじさに心温まる。 これから、他の作品も読んでみたい作家。2019/06/17
qoop
9
物語を動かしそうな登場人物を複数配しながらも焦点を主要人物のみに絞り、世界を広げることなくどこを読んでも同じ味わいが重なって行く読み応え。夢介を主人公として読むと勿体ないと感じるが、お銀を中心に据えればこうとしかならないと納得できる。動かしやすいのはお銀だろうし、作劇的には当然なのかもしれない。懐かしきご存知ものの面白みであり、マンネリズムの安心感を味わった。2022/03/22
m
3
雪組観劇の予習に。朴訥でお人好しな夢介。道楽修行と称して自ら面倒に巻き込まれにいっているような印象も。もしお金がなかったらどうやって解決するのだろう。物語が進むにつれお銀を応援したくなり、どうせなら小田原に着いてからの話まで書いてほしかったなぁ。夢介がトップスターの役とはちょっと意外。原作は総太郎より三太の出番が多いのね。この分厚い文庫、どうして上下巻に分けなかったのだろう。読書メーター2400冊目。2022/06/05
MIYU
2
雪組初日が楽しみ!
おすかる
0
前半中々読み進まなかった。 千両親からもらって道楽修行って、さんりょうあって今の価値に換算すると1億6000万以上らしい。それを50両、100両とポンポン出して問題解決?親の金ばら蒔いて、金の力でねじ伏せてるようにもみえるけど。 作者の意図が読めませんでした。2022/03/30