内容説明
藤沢宿で元小人目付の浪人が斬殺された。「つぎは吉田殿をやって…」男二人の遣り取りを聞いたのは、藤沢宿から品川に戻った絵師の南兆だった。南兆は南町奉行所隠密廻り同心・神谷善之助が持つ貸家の店子だった。善之助は南兆が見たという二人の男の人相書きを懐に、手下の銀次を使って密かに探索を始めた。その矢先、目付の吉田作之進が闇討ちに逢い、人相書きの一人が白昼暗殺されてしまう。その後やっと追い詰めた残りの男は、裏で糸を引くのは吉田に失脚させられた元目付の意趣返しだと自白した。だがその陰には黒幕が潜んでおり、利権に絡んだ策謀が蠢いていた…。書下ろし長篇痛快時代小説。
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年、熊本県生まれ。放送作家を経て、94年「かまち」(扶桑社)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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