内容説明
天保の改革で水野忠邦の腹心として働き、苛烈な取り締まりで“妖怪”と恐れられた鳥居耀蔵の晩年の孤独と不安を描く表題作の「孤愁の鬼」、佐幕派、勤皇派の暗闘により、殺伐とした京の町で絵師として身を立てることを夢見ながら、黙々と扇絵を描き続ける男が事件に巻き込まれていく「扇屋隆斎」など激動する時代の変わり目の中で運命に翻弄されていく人間たちの悲哀と心の深淵を描く感動の時代連作集。
著者等紹介
乾荘次郎[イヌイソウジロウ]
1948年徳島市生まれ。1970年早稲田大学第一文学部中退。フリーライター、映画評論、農業をテーマにしたルポルタージュなどの仕事のかたわら、小説誌に作品を発表。1998年に第6回松本清張賞で最終選考に残り、高い評価を受ける。『孤愁の鬼』で時代作家としてデビュー
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