内容説明
将軍家斉の岳父である島津重豪の隠密、河野征四郎。琉球生まれ薩摩育ち。示現流の遣い手である。ある日将軍の実父一橋治斉に請われ、一橋家預かりの身となった征四郎は、家中の混乱を目論む人物を探る密命を受け、目白台別邸の中間部屋で開かれていた骰子博奕の賭場を襲う。だが、そこで発見されたのは二十両の贋金。しかもその贋金はまだ通用前で、幕閣しか存在を知らない二分金だった。裏に策動を企む大物の存在を知った征四郎は、黒幕を炙り出すべく裏探索に乗り出す。だが、そこには治斉と敵対する「寛政の改革」派との確執が隠されていた。
著者等紹介
宮城賢秀[ミヤギケンシュウ]
1944年生まれ。昭和21年4月中華民国台湾省高雄市生まれ。神原中学校(沖縄県那覇市)卒業後、十余種の職に就き、現在、文筆業。日本文芸家クラブ理事
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