内容説明
寒村から江戸へ出てきたものの、生きる望みも無くしたあぶれ者と、吉原の最下級の局女郎に身を落とし、どうせ死ぬなら心中でと思う女が偶然出会い、大川に身を投げようとする表題作の『羅生門河岸心中』や、飢饉の村から七歳と九歳で売られ、今や吉原一の花魁となった妹と、ある事件を起こし、下級女郎に落とされた姉の悲惨な過去の秘密を描く『食む』など、遊郭に生きる様々な人間模様を活写する時代連作。
著者等紹介
石月正広[イシズキマサヒロ]
1950年、東京出身。『食む』で2000年度日本文芸家クラブ大賞短編賞受賞
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