内容説明
長期低迷する経済不況。大手自動車メーカーの経営危機と外国人コストカッターの再建策。そして、大物偽善弁護士による、仕組まれた労々戦争。大規模なリストラによって閉鎖が決まった生産工場。日々ひたむきに、仕事をこなしてきた工員、迎井は、その渦中に立たされ、小会社から下請け工場に職を追われ、さらに病身となる。迎井は、スーパーで働く妻に支えられ、みずから、生きる希望を見い出していく。
著者等紹介
渡辺一雄［ワタナベカズオ］
１９２８年、京都生まれ。大阪商科大学（現大阪市立大学）卒業後、大丸百貨店に入社。７６年にデパートの内幕を描いた「野望の椅子」でデビューし、日本作家クラブ賞を受賞。２年後、「出社に及ばず」を発表したのち、部長→課長→主任という降格人事を経験し、８０年に退社する
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