内容説明
「世界伝奇小説の烽火、アレキサンドル・デュマの『三銃士』に先立つこと三年」。28年の歳月を費やして完成された滝沢馬琴の大作「南総里見八犬伝」。物語は、長禄2年足利八代将軍義政のころ、安房国の城主里見義実の娘・伏姫が犬の八房の子を身籠り生んだ八つの奇妙な珠の話で始まる。後にそれらの珠を持つ8人の犬士が出現。八犬士が活躍する「虚の世界」と馬琴の日常生活を鋭く抉った「実の世界」が交互に展開。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Jeanie
3
物語だけでは腑に落ちないあたりをあともどり、さきまわりして北斎が読み手目線で批評、質問し、馬琴に解説させているようでおもしろい。2013/02/13
石鶏
1
S
S順子
1
図書館。八犬伝と名の付く小説は色々出てるけど、本書は原作に則った上で読みやすさと面白さを兼ね備えてると思う。実の世界で馬琴が伝奇物のあるべき姿を、『史実があってその根を変えずに葉を変える』って表現にとても納得。馬琴+山田風太郎。伝奇小説の愉しさに浸れる。2015/05/19
きゃめる
1
数年来の積ん読をようやっと消化。物語世界と作者たる馬琴の現実世界を交互に描いて、どちらも面白く読ませる手腕は流石の山風。下巻もゆるゆる進めてゆこうか2014/11/15
doraco
1
元の角川文庫のものを読むこと3度目。物語を虚の世界、友人北斎たちとの実の世界に交互に現れながら、曲亭馬琴の人生をも浮き上がらせていく手法は見事。物語としても資料としても楽しめます。2012/11/18