感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
千本通り
7
故・青木雄二の、『ナニワ金融道』以外の全作品をはじめて一冊にまとめた、大ボリュームの傑作集。作品の最後に著者自身によると思われる「自作解説」が付くが、著者は2003年に肺がんで亡くなっているのだが、本当に本人が書いたものだろうか? それとも関係者が生前著者が語っていたものをベースに創作されたものなのか? まあ「自作解説」を読み飛ばしても構わないのだが。2025/04/11
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
2
『ナニワ金融道』完結と共に漫画家を引退し、(言葉は悪いが)ナニワのマルクスを名乗りながら財テク本を粗製乱造した青木から失われた「唯物論や疎外論と言う正論に凭れながらも幸福になれずも生きて行く敗者」と言う文学・芸術的問題意識が色濃く、特に『50億円の~』に見られる観念論と唯物論と言う表向きのテーマを超えた「自意識過剰で正論をくっちゃべりまくるインテリ崩れの冴えない男」と「間違った観念論を信奉しながらも兎に角動いて事態を変えた男」と言う対比は青木が晩年堂々と表せなくなった「反庶民」的な個人観ではなかろうか。2022/06/11
yam6
2
モーニングでナニ金を読み始めた20代後半の時期、この漫画家は資本主義嫌いなんじゃないかなとうっすら感じていたが、この短編集では本人がマルクス主義を否定しないことを記している。友情、ラテン喫茶、屋台、盛場あたりがいい。2019/08/26
たかちん
1
ナニワ金融道から作者のファンになった。短編も日本社会の下層民にも焦点を当てて、社会の現実や矛盾を巧く描いている。2020/03/23
浅野月
1
ゼニの人間学が良かったのに、図書館本だったのでお布施の意味もあって買うてみた。悲しき友情、ええやん。2018/11/16