内容説明
人類は地球の覇者ではない。ごく狭いエリアに文明の砦を築き、必死でサバイバルしているにすぎないのだ。間もなく氷期が到来すると、文明はひとたまりもなく崩壊してしまうだろう、私たちが進化できないかぎり…。世界中の極限環境を訪ね、生命とは何かを探求してきた辺境生物学者が、人類の未来に警鐘を鳴らす。
目次
1章 生物進化は絶滅の歴史(進化とは個体間の競争;「高い葉を食べるために首が伸びた」はウソ ほか)
2章 氷期がやってくる(地球は冷えている;温暖化危機説のウソ ほか)
3章 極限環境で生き延びる生物たち(全球凍結は生命絶滅の危機か;寒冷下でも平気な生物 ほか)
4章 生命とは渦である(「生命とは何か」が生涯のテーマ;生命=複製するマシン ほか)
5章 人類は進化の失敗作(木から降りた類人猿;大きな脳の功罪 ほか)
6章 人類が進化するとき(文明と人類の存亡は別;人類は戦争で絶滅するか ほか)
著者等紹介
長沼毅[ナガヌマタケシ]
1961年、人類初の宇宙飛行の日に生まれる。極地、深海、砂漠、地底など、世界中の極限環境にいる生物を探索する吟遊科学者。広島大学大学院生物圏科学研究科准教授。1989年、筑波大学大学院生物科学研究科博士課程修了、海洋科学技術センター(現・独立行政法人海洋研究開発機構)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校海洋科学研究所客員研究員などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カザリ
59
長沼さん、私は好きです、とういうのも、読んでいると理想を追求して結果的に残虐行為を正当化するマッドサイエンティストをほうふつさせるから。。狂気すら感じるけれど、それはもともと善に発していてだから始末が悪いというところで好きです。。何かいも言いますが、好きです。。あぶないことを臆面もなく言っているので好きです。2014/09/30
カザリ
50
再読。長沼さんの中では一番これが切れ味がいいような気がします。切れ味がいいということは、極端ということでもあるのだけれど。クラークの「幼年期の終わり」を読んでいたら、これにもクラークの話がでていて、びっくり。人類の存続よりも存在価値を重視したときに、たしかにホモサピエンスの終焉を堂々と主張するところは長沼さんとクラークは似ていると思う。。実際どう終焉させるのかというと、2種類あるなあ、と思うに至る。2015/01/12
かつどん
5
いくつか「なことないヨ」と感じる部分もあったが、概ね『ホモ・パックス』に向けた著者の熱い思いは読みとることができた。厳しい自然環境をいくつも体感してきた人だからこそこのように語ってOKだろう、と。人類としてはやはり人類が生き延びて欲しいけど、他の生物でもまあいいや、ってつい思わせてしまう所がさすが。そしてケイソウをあがめたてまつりそうになる自分が可愛い。あーでもやっぱり人類もっとがんばれーって叫ぶ今日この頃でした。2013/12/19
とめちゃんず
3
(途中でぱたっと落として)「科学者だもんで言いたいこと言ってるら!」(そんな事を言いながらも結局読み終えてから訳知り顔で)「あんた! 知ってた? 温暖化って言ってるけんホントは氷期がくるってさ!!」2013/12/21
塩崎ツトム
2
長沼先生、マイナーな出版社だからか知りませんが、おっしゃることが他の著作よりカゲキです。あしからず。2014/07/22