内容説明
勝手に消えて勝手に現れる親。無欲で明るい子供たち。さまざまな理由で親と一緒に暮らせない子供たちの赤裸々なレポート。
目次
序章 疑似家庭〈養護施設〉
春 それぞれのひとりだち
夏 泣いて笑って
秋 子どもたちの叫び
冬 心も温めて下さい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
61
著者は児童養護施設で保母として働きながら歌を詠み、現代歌人協会賞を受賞。上司が私に読むようにと持ってきた本なのだが、理由がわかった。私が以前勤めていた施設の大先輩だった。私が生まれた頃から保母をされている。昭和ひと桁生まれの鳥海さんだが、施設の行事、文集の名など、今と変わらず懐かしい。親を渇望し裏切られる子どもたちの暮らしも変わらない。自分が関わった子どもと重ねては、しばしば鼻をつんとさせた。「バラの棘のひっかき傷を探しいる すでにない傷がいたいという子」「あいつ死んだぜ子は殺す 会いに来てくれない母を」2016/05/01