内容説明
市井に生きる人々の切ない訴えを受け欲にかられた人間の悪業を斬る!!詐欺、盗み、謀略…。あらゆる争いごとが持ち込まれる公事宿・鯉屋の男が見た世俗のありさまとき…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazu@十五夜読書会
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公事宿事件書留帳シリーズ4弾。菊太郎が居候する「鯉屋」公事宿の仕事の内容、交わされる京言葉に慣れてきました。① 闇の掟 ② 木戸の椿 ③ 拷問蔵 ④ 奈落のみず ⑤ 背中の髑髏 ⑥ ひとでなし ⑦ にたり地蔵 ⑧ 恵比寿町火事 ⑨悪い棺 ⑩ 釈迦の女 ⑪ 無頼の絵師 ⑫ 比丘尼茶碗 ⑬ 雨女 ⑭ 世間の辻 ⑮ 女衒の供養 ⑯ 千本雨傘 ⑰ 遠い椿 ⑱ 奇妙な賽銭 ⑲ 血は欲の色 2012/11/04
星落秋風五丈原
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本書タイトルの『奈落の水』のヒロイン・お蔦も、初対面の菊太郎に、えらくつんけんする。「何とまあ愛想のない女性だろう。」と思っていると、血の繋がらない娘・千代に対しては、態度がころっとかわる。不思議に思った菊太郎が、尚も彼女に注目していると、お蔦がつんけんしていた理由が、千代絡みであった事がわかる。それがわかって、菊太郎は、この親娘を助けようと奮闘し、お蔦も 「これまでずっと奈落で生きてきましたけど、この水、奈落の水にしてもおいしゅうございますわ。」 というコメントを菊太郎に向け、笑って見せる。2004/08/17
ぽて
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既読。【血の繋がりがなくとも仲睦まじい母娘を引き離そうと『奈落の水』、隠居が過去の女に子どもがいればと。色金欲の『厄介な虫』、裏長屋に小判の投込みが。同じ頃大店が2軒蔵破りに。結局2軒は妾を囲うため、投込みはある隠居老婆が放蕩息子に残すより『いずこの銭』、朝顔の見張り番が殺害『黄金の朝顔』、息子の嫁にいびられた隠居が清水の舞台から飛び降り『飛楽人一件』、屋敷の普請を一方的に中止させられた棟梁に、捨て子たちの家を建ててもらう『末の松山』伏見稲荷で男が知らず持っていた高価な扇を買取った欲深い貸本屋『狐の扇』】2013/01/02
mitsuru1
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連作7短編 江戸の弁護士事務所公事宿の話2009/04/12
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- 和書
- 炎の佛師松本明慶