内容説明
阪急は関西で圧倒的なブランドを確立している。ブランディングという概念のない時代から、いかにしてそのブランドをつくりあげ、守ってきたのか?創業時からの歩み、車両、駅やサービスなどに表れる阪急の個性・こだわりに注目。「阪急ブランド」が強固である理由を紐解く。
目次
第1章 関西における阪急の威力―信頼を築く(紙袋に見る百貨店の“格”;阪急が考えた世界初のターミナル百貨店 ほか)
第2章 「電車」の概念を変えた阪急―伝統を守り、進化する(開業当時から差別化を意識?;マルーン色の危機がこれまであった!? ほか)
第3章 駅とサービスに見る、こだわり気質―創意工夫を凝らす(梅田駅の変化、それは大阪発展の象徴;乗客を逃がすな!さまざまな誘客策 ほか)
第4章 順風満帆か?阪急の歩み―挑み、前進する(社名を変えて阪神間に進出;阪神の前に立ちはだかる、ガラアキ・速達の阪急 ほか)
著者等紹介
伊原薫[イハラカオル]
1977年大阪府生まれ。2013年より鉄道ライター・カメラマンとして活動を開始。鉄道・旅行雑誌や書籍、Webニュースなどで執筆するほか、テレビ番組への出演や監修など幅広く活躍する。2012年、京都大学大学院認定の都市交通政策技術者となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
86
鉄道ライターの伊原薫さんが交通新聞社から出発した本だから、トリビア満載の鉄道ファン大喜びの一冊だろう。私は鉄っちゃんでは全くないが、知らなかった知識にたくさん出会い、一関西人としてとても楽しく読んだ。ターミナル百貨店、動く歩道、自動改札、駅ナカ・コンビニなど次々と日本初の取り組みを重ね、高いブランド力を誇る阪急で、他社にあって阪急にないものが「マスコット・キャラクター」というのが考えさせられる。あえてキャラクターに頼る必要がないほど確乎たるものが、本当の「ブランド」なのだということを教えられる逸話である。2020/11/29
きみたけ
66
著者は京都大学大学院都市交通政策技術者で鉄道ライター・カメラマンの伊原薫氏。関西で圧倒的なブランドを確立している阪急の創業時からの歩み、車両、駅やサービスに表れる個性・こだわりに注目し「阪急ブランド」の強さの理由を紐解く一冊。創業者小林一三の理念が原点にあり、創業以来「沿線住民に豊かな生活スタイルを提案する」が阪急のポリシー。きめ細やかなサービス、マルーン色の車両、窓や日除け構造にもお客様への配慮あって驚きました。ライバル阪神との抗争時代から企業統合後の歩み寄り、今後の路線計画などとても面白い内容でした。2022/04/02
ばう
61
別に鉄道好きでも何でもないのですが。小林一三翁の偉大さは元阪急沿線住民としてはよく知っていましたが、改めて読むとその凄さに脱帽です。沿線開発、百貨店、宝塚歌劇など誕生の経緯は以前から知っていましたが京都線の話にはびっくり!但し鉄オタでも何でもない者としては面白く読めたのは車両へのこだわりについて書かれた第2章まで。後半はさらさら読んでしまったし、この題名は私みたいな外部の人間(?)の受けを狙ってのもの?と感じてしまいました。このタイトルならほぼ第1章で語り尽くされているのでは?まぁよう知らんけど。2020/11/02
shikashika555
45
阪急電車の開業から現在までが 阪急LOVEな著者によって、簡潔ながら彩り豊富な例と言葉で語られる。 小林一三という実業家によって作られた鉄道を中心としたグループ会社であること。沿線開発に力を入れたこと。阪急百貨店食堂のソーライスのエピソードなど、関西人にとっては基礎教養(?)ではあるが、これだけ「阪急愛」が行間からこぼれ落ちるような文で語られると読み応えがある。 また、小林一三の卓越した広告センスは初めて本書で知ることが出来た。 彼と阪急が愛されるのは、広告(言葉)を介して消費者と繋がっているからだな。2020/12/24
おかむら
38
別格かあ。関西の私鉄事情は全く知らないので興味深く読む。阪急の素晴らしさは伝わったが他の私鉄(阪神や京阪?)と比較してほしかったな。沿線住民の気質とかさ。(そういう月曜から夜ふかし的なおちょくりが好きなので)。あとやはり阪急電車に乗ってみたくなります。マルーン色(えび茶)のピカピカの車体にモケットグリーンの座席(アンゴラヤギの毛なんだってー)、そして日よけのヨロイ戸。オサレー! 「阪急のある生活」とは、普段から「中の上の」生活を送ること(あとがきより)、そうざますかー。ちくしょー。2020/11/25
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