目次
踊りのこと
小夜曲のこと
乞食坊主のこと
悪妻のこと
星占いのこと
諸国探訪のこと
阿呆にはなりたくない
冗談を理解しないこと
悪の報いを知らぬこと
準備を怠ること〔ほか〕
著者等紹介
尾崎盛景[オザキモリカゲ]
1922年神奈川県に生まれる。1947年慶応大学文学部(独逸文学専攻)卒業。元慶応大学文学部教授。1986年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SIGERU
22
15世紀の古典。僧侶から乞食まで、あらゆるタイプの阿呆を俎上にのせ、揶揄している。いわば「人さまざま」の阿呆版だ。解説によれば、ゲーテのウェルテル以前の大ベストセラーで、後世にも決定的な影響を与えた稀有なドイツ文学とのこと。エラスムス『痴愚神礼賛』も、本書の影響下に成ったと想像できる。当時、あまりの人気に、いわゆる海賊版が氾濫したようで、巻末には作者による『抗議の詩』まで添えられている。「ブラントと呼ばれる阿呆をのぞいては、誰もこの船できはせぬ」という見得切りには、大いなる自恃と自己批評性さえ感じられる。2021/12/12