内容説明
京都に育ち、演劇と学生運動に情熱を燃やした大島渚。その波乱の青春を語る自伝的文章に加えて、初期の脚本『深海魚群』を収録。日本を代表する映画作家の原点がここにある。
目次
京という鋳型
悲しみの街を歩く
Kyoto,My Mother’s Place
京都大学時代の回想
政治的転向について
『我が青春に悔なし』滝川事件に憧れて私は京大に入ったのだが
わが青春残酷物語
日本映画の曲り角 なぜ私は撮影所の試験をうけたか
戦後日本映画の状況と主体
脚本『深海魚群』
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年生まれ。東京大学で宗教学を、大学院で比較文化を学ぶ。明治学院大学教授として映画史を教える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tsukamg
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京都に関する随筆が大変面白かった。それから、戦後の日本映画が、民衆の被害者意識に訴える方法論をとったという指摘が、新鮮に思えた。2013/02/11
空腹ライフセーバー
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重要な論文2009/04/24
Isamash
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大島渚の映画を見て難解でよく分からないとこがあり、彼の経験など知りたくて読むこととした。 学生運動で京大自治会の執行委員として学生運動に関わっていたことは見聞きしていたが、当時から共産党には批判的で党員にもなっていないことは初耳。共産党そのものが建前優先のムラ社会で、映画内容と一致し、良く理解できるところ。また演劇をずっとやっていて政治的にどう演出権を取るか考えていた様でやはりとても政治的なヒトの様。大学でも松竹入社後も親しかった人間の自殺や事故死を体験していて、これが死が多い彼の映画に反映している様。2021/08/08