内容説明
日露戦争をレーニンはどのように考え、日本にたいしてスターリンは何を見ていたのか。ソ満国境紛争に孕まれていたスターリン派とトロツキー派の暗闘。日ソ中立条約のソ連による踏み躙りとソ連の参戦。北方領土問題はなぜ発生したか―。佐々木洋によるロイ・メドヴェージェフ論文への評注とそれを基礎にした論争的なモスクワ対談!最新の研究書の紹介をあわせた佐々木洋渾身の補注を附す。
目次
第1部 スターリンと日本(スターリン 日本に関する最初の発言;一九二〇年代の日本に関するスターリン;一九三〇~三六年の日本に関するスターリン;一九三七~四〇年の日本に関するスターリン;一九四一年のソヴィエト連邦と日本;一九四二~四四年のスターリン、ルーズベルト、チャーチル;三大国首脳のクリミア会談;三大国首脳のベルリン会談;ソヴィエト連邦、対日戦に参戦す;日本の降伏 ほか)
第2部 対談
著者等紹介
メドヴェージェフ,ロイ・A.[メドヴェージェフ,ロイA.]
1925年生まれ。歴史家・政治家。1969年に主著『歴史の審判』(邦訳『共産主義とは何か』(三一書房))の発刊でソ連共産党を除名されるが、1989年復党
佐々木洋[ササキヨウ]
1942年静岡県生まれ。北海道大学大学院農学研究科修了。現職は札幌学院大学教授
海野幸男[ウミノユキオ]
1962年生まれ。プーシキン大学(モスクワ)卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にしの
2
ロシアの歴史学者、ロイ・メドヴェージェフによる小品。よく知られた事実を元に書かれたものであり、新しい発見や分析はない。なので、本作をスターリンの対日政策を細かく分析した歴史書として期待するとがっかりするかもしれない。それよりも現在の北方領土やクリル諸島をめぐる日露外交問題の予備知識を得るための一冊として読むのが良いのだろう。2020/12/31
samandabadra
1
ノモンハン関係での スターリンの発言を見る目的もあり読む。 本文は115ページ それに50ページ以上の評注と 90ページぐらいの対談が付いた本。 本文の表現は なんとなく日本人にとっては むっとくるところもある。 評注は、どちらかというと疑問と反論 最後は評注をつけた佐々木氏と 作者メドヴェージェフの対決 結構けんか腰でやっている。 文章になってみると両方議論を 落ち着かせようとしているようにみえるが おそらく激昂しつつ話し合っていた のではないかと思われ、 。 2009/05/27