内容説明
途方もない予言や運命計算、造語や分類の奇癖、宇宙論や博物誌的な逸脱、奔放きわまる性愛論。文明に未開なるものを対置し、未開のただなかに未来を、その終末まで透視する。現実の極限をめざし、極限における伝播をのぞむ狂気のユートピア。
目次
第3部 確証篇(方法的軽率について;フリー・メイスンについて;島国による独占について;文明の発展体系;商業の放縦について)
エピローグ 地球の社会的混沌について
補遺(有機的運動および複合反対運動について;ノートA;文明人への勧告)
著者等紹介
巌谷国士[イワヤクニオ]
1943年東京に生まれる。東京大学仏文学科卒業、同大学院修了。フランス文学者、批評家、紀行作家。明治学院大学教授
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感想・レビュー
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MatsumotoShuji
1
上巻の記述から。 「野蛮人のうちもっとも勤勉かつ勇敢であり、もっとも尊敬に値する日本人は、女に対しても、もっとも嫉妬心がなくもっとも寛大である。そのため偽善的な習慣に恋愛を禁じられた支那の猿どもが、わざわざ日本に渡って恋愛に身を委ねるほどである。」 ちょうど200年前のおはなし。2015/10/07
doom
0
"…『自然の弁証法』においてエンゲルスは、「フーリエが一つの数学詩を、しかもまだ用いられているように、ヘーゲルは一つの弁証法詩を」との断片を書き残しており、従来これはトムソンなどの用例から、同時代の大数学者ジャン-バティスト・フーリエへの言及とされてきたものであるが、(レーモン・)クノーはあえてこの説をくつがえして、じつはわがシャルル・フーリエのことを言っていると断じたのであった。"(訳者解説より)2012/02/15