出版社内容情報
18世紀の温泉都市バースは絢爛たる文化の華を咲かせ、爛熟の末に意外に早く衰亡への道を辿る。本書は、その歴史と文化を丹念に跡づけた風俗絵巻。
内容説明
イングランド南西部の一地方都市バースは温泉社交場として空前の繁栄を享受した。しかし、わずか7、80年、その繁栄は急速に訪れまた足早やに遠のいていった。本書は文化史的視点からそこを舞合に登場した数々の名士の人間模様を活写し、その実像に迫る。
目次
序章 エイヴォン川谷の建築の町バース
第1章 歴史の中のバース
第2章 聖泉信仰と温泉趣味の流行
第3章 バース王国の君主―ボー・ナッシュ
第4章 バースの24時
第5章 バース王国の事業家―ラルフ・アレン
第6章 バースのサロン―プライア・パークの客、フィールディング
第7章 バースのスキャンダル―リチャード・B.シェリダンの場合
終章 バースのたそがれ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
英国西部のBathの町。「なぜバースという町が18世紀建築史上これほど豊かな成果を結集させることができたのか…しかも当時人口わずか三千ほどの一地方都市がである。…バースの歴史はその名の通り温泉を抜きにしては語ることができない。…ローマ時代の…バースは広大な領土を擁する帝国内でも湯量と設備のよさで一、二を争う温泉都市として名を知られ、本土からも多くの人を集めた。…18世紀、バースな町が温泉都市として再び活況を呈したとき…町が果たしたことは基本的にはローマ時代の継承発展であったということができるのである。」2025/03/15