出版社内容情報
「カルトグラフィ」とは地図製作のことであり、本書はアメリカ文学が生成する根源を「地図的発想」で捉え直す。家庭、都市、漂流、南部、国際移動、異界、伝染病、動物化などのキーコンセプトで描き出される、観念地図。
文学的想像力が描くアメリカ
「カルトグラフィ」とは地図作りのことであり、本書はアメリカ文学が生まれてきた現場を「地図的発想」で捉え直す試みである。自己探求的なアメリカ文学の理念が重視してきた物語・国民意識・国家観と、それらを支えるロジックとは何か。家庭、都市、漂流、歓待、南部、私秘性、国際移動、異界、親族、伝染病、動物化、商品といったキーワードを使って描き出される、観念の地図。
第一部 情緒的空間としてのアメリカ
第一章 領域化する家、内密の空間――生活世界の構図
第二章 雑踏の復権――生命圏としての路上
第三章 逃走という名の空間創成――情動変化の生態系
第二部 マッピングされるアメリカ
第四章 永遠の異郷――流浪する者たちのアメリカ
第五章 他者性の迷宮――南部という謎
第六章 親密圏をマッピングすること――私と公の攻防
第三部 選別の機構としてのアメリカ
第七章 混成国家の鏡像――客土における黒人文学
第八章 回帰する場所――憑在者たちの複数空間
第九章 逸脱的情事の版図――国体への想像力と性的禁忌
第四部 アメリカ的自我と近代の時空間
第十章 疫病と近代社会――感染地図としての人間の絆
第十一章 動物の生息図――覆される人間主義
第十二章 物欲のカルトグラフィ――フェティッシュと自我の変遷
【著者紹介】
立教大学教授。立教大学ジェンダーフォーラム所長。1967年東京生まれ。ウィスコンシン大学マディソン校大学院博士課程修了。東京学芸大学教育学部、一橋大学大学院言語社会研究科を経て、現職。専攻はアメリカ文学、文化理論。共著書に『アメリカ研究の越境1 アメリカの文明と自画像』(ミネルヴァ書房 2006年)、『現代批評理論のすべて』(新書館 2006年)、『ジェンダー研究のフロンティア5 欲望・暴力のレジーム』(作品社 2008年)、渡辺靖編『現代アメリカ』(有斐閣、2010年)ほか。訳書にトリーシャ・ローズ著『ブラック・ノイズ』(みすず書房)。
内容説明
自己探求的なアメリカ文学に取り憑いた物語・国民意識・国家観と、それを支えるロジックとは何か。家庭、都市、ストリート、流浪、南部、親密圏、国際移動、異界、親族と性的禁忌、伝染病、動物化、貨幣といったキーコンセプトを駆使して、アメリカの新しい地平を描く作図法。
目次
第1部 情緒的空間としてのアメリカ(領域化する家、内密の空間―生活世界の構図;雑踏の復権―生命圏としての路上;逃走という名の空間創成―情動変化の生態系)
第2部 マッピングされるアメリカ(永遠の異郷―流浪する者たちのアメリカ;他者性の迷宮―南部という謎;親密圏をマッピングすること―私と公の攻防)
第3部 アメリカの異次元空間(混成国家の鏡像―客土における黒人文学;回帰する場所―憑在者たちの複数空間;性的禁忌の版図―憑在者たちの複数空間)
第4部 アメリカ的自我と近代の時空間(疫病と近代社会―感染地図としての人間の絆;動物の生息図―覆される人間主義;物欲のカルトグラフィ―フェティッシュと自我の変遷;コーダ 流動するアメリカ空間)
著者等紹介
新田啓子[ニッタケイコ]
1967年、東京生まれ。立教大学教授。ウィスコンシン大学マディソン校大学院博士課程修了(Ph.D.)。専攻はアメリカ文学、文化理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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