出版社内容情報
400年前のシェイクスピアの舞台を甦らせた上演研究の金字塔!
『ロミオとジュリエット』の「バルコニーの場」や、『ヘンリー六世』などの戦場のシーンはどのように演じられたのか。著者みずから描いた多数の挿絵によって、シェイクスピア時代の上演形態を明らかにしたパフォーマンス・クリティシズムの金字塔。
序文
第1章 舞台研究の始まり──マローンの伝統
第2章 舞台の基本要素
第3章 ワープ効果
第4章 音楽室を攻撃せよ!
第5章 舞台に全軍が登場?
第6章 柱は邪魔か?
第7章 ベッドはどこに?
第8章 特殊効果
第9章 ホールでの上演
第10章 結論を描き出す
エピローグ 最後の絵
原注
訳注
訳者あとがき
参考文献・索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
315
もっと絵が中心かと思っていたが、あくまでも論考が主で、絵はそれをより具体的に想像しやすくするための補助的な教材といったところ。内容は相当に専門的である。グローブ座を中心にエリザベス朝期の劇場の外観、および舞台、さらには役者たちの動きをも含めて考察がなされている。舞台全体は半円形に客席にせり出した構造が基本形であるようだ。面白いのは、歌舞伎の舞台と同じような「迫(せり)」があること。一方、歌舞伎との違いは舞台が2階構造になっていること(花道は歌舞伎独自の発明なのでそれはない)。2023/02/05