出版社内容情報
PC 論争、多文化主義などアメリカの知的状況が揺れ動くなか、気鋭の研究者が文学研究の定説を再検討・修正し、その歴史を大胆に読み直す。
読み直すアメリカ文学(史) ――序にかえて(渡辺利雄)
アメリカ文学の境界
陽画と陰画の構図――ポカホンタス神話をめぐって(中尾秀博)/欲望という名の越境――テネシー・ウィリアムズと差異の政治学(舌津智之)/所有と快楽――スティーヴ・エリクソン『Xのアーチ』について(柴田元幸)/文学と環境――ネイチャーライティングとエドワード・アビー(上岡克己)/〈キャンプ〉の政治学――『エンジェルズ・イン・アメリカ』の九〇年代(内野儀)
女性・フェミニズム・ジェンダー
アメリカの暗い情熱――エドワード・テイラー再読(渡辺信二)/「地方」の時間――セアラ・オーン・ジュエットと時計の抑圧(折島正司)/自然主義・フェミニズム・ショパン『めざめ』(丹治陽子)/エレン・グラスゴーと伝統への反逆(丹治めぐみ)
マイノリティの作家たち
囚われの/囚われた物語――シーヴァー『メアリ・ジェミソン夫人の生涯の物語』とブラック・ホーク『自伝』(高尾直知)/「ブラック・アンド・ブルー」ファンタジー――ラルフ・エリソンとジャズ(椿清文)/イシュメル・リードの脱中心性(竹本憲昭)/ストーリーというドラマ――最近の中国系アメリカ女性作家たち(小川高義)
めて
解放する掟――『ハックルベリー・フィンの冒険』における人間を消す三つの方法(竹内康浩)/ケンブリッジ版『ラスト・タイクーン――あるウェスタン』について(内田勉)/花環は水面を揺蕩い、鴎はそれを見つめていた――『パイロン』における事実と虚構をめぐる考察(林文代)/アップダイクの『帰ってきたウサギ』とペンシルヴェニア(中谷崇)
内容説明
PC論争、多文化主義、正典の見直し等々、アメリカの知的状況が激しく揺れ動く今、気鋭の32氏が、文学史・文学観の定説を再検討、変容する「アメリカ」を読み直す。
目次
1 アメリカ文学の境界
2 女性・フェミニズム・ジェンダー
3 マイノリティの作家たち
4 大衆文化・大衆文学への視点
5 社会・歴史・イデオロギー
6 モダニズムからポストモダニズムへ
7 新しい作家論をもとめて
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