出版社内容情報
外国語教育において、とかく悪者扱いされながらもしぶとく生き残ってきた「訳」の効用と意義を改めて説く。イギリス応用言語学会の大物が語る「訳の復権」論は、「英語は英語で」が流行する日本の英語教育界にも一石を投じる。
先端の英語教育理論に学ぶ「訳」の可能性
外国語教育において、とかく悪者扱いされながらもしぶとく生き残ってきたのが「訳」(translation)である。本書は、19世紀末に始まった外国語教育の改革運動のなかで、いかに「訳」がいわれなく排斥されてきたかを検証し、改めて外国語教育における「訳」の効用と意義を説く。イギリス応用言語学会の大物が語る「訳の復権」論は、「英語は英語で」ばかりがもてはやされる日本の英語教育界にも一石を投じる。
第I部 歴史
第1章 拒絶――「改革」と直接教授法
第2章 長い沈黙――直接教授法から意味重視へ
第3章 復興の機運――二言語併用の再考
第4章 訳すとは何か
第II部 議論
第5章 証拠に基づいた議論
第6章 教育のあり方を巡る議論
第7章 教育の方法を巡る議論
結論
【著者紹介】
ガイ・クック (Guy Cook) 英Open University教授。英国の応用言語学会会長。Applied Linguistics元編集長(2001-2009年)。
内容説明
19世紀末以来、訳は言語教育の厄介者である。そろそろ変化してしかるべきときだ。これが本書における著者の主張である。著者によれば、訳は言語教育・学習の自然かつ効果的な手段であり、今日の多文化化した社会、地球規模化した世界に広く必要とされる技能であり、また異文化間理解・言語意識・個性の維持を推進するものでもある。現代世界の需要に対応した言語教育・学習の手法を求める声が研究者・教師・学習者の別を問わず幅広く上がる中、本書がその答えを提示する。
目次
第1部 歴史(拒絶―「改革」と直接教授法;長い沈黙―直接教授法から意味重視へ;復興の機運―二言語併用の再考;訳すとは何か)
第2部 議論(証拠に基づいた議論;教育のあり方をめぐる議論;教育の方法をめぐる議論)
著者等紹介
斎藤兆史[サイトウヨシフミ]
1958年栃木県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院修士課程修了。米国インディアナ大学英文科修士課程修了、英国ノッティンガム大学英文科博士課程修了(Ph.D.)。現在、東京大学大学院教育学研究科・教育学部教授
北和丈[キタカズタケ]
1978年富山県生まれ。2001年東京大学教養学部超域文化科学科卒業、2003年同大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2004年英国レディング大学現代英語学科修士課程修了。2012年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、東京理科大学講師。専攻は応用言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobu A