内容説明
日本人が英語を相手に演じた、百年の愛憎劇。
目次
第1章 明治後期の英語(「百年史」前史―江戸編;「百年史」前史―明治編 ほか)
第2章 大正時代の英語(明治から大正へ;市河三喜『英文法研究』 ほか)
第3章 昭和時代前期の英語―戦前・戦中(英語廃止論に対する反論;昭和初期の英語教科書から何が見えるか ほか)
第4章 昭和時代後期の英語(終戦直後の英語ブームとカムカム英語;終戦後の英語教科書 ほか)
第5章 平成の英語(反英語帝国主義論;語学行政に入り込んだ実践コミュニケーション主義 ほか)
著者等紹介
斎藤兆史[サイトウヨシフミ]
1958年、栃木県生まれ。東京大学文学部卒業後、同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。インディアナ大学英文科修士課程修了。ノッティンガム大学英文科修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻は英語教育・学習論、英学。高度に専門分化しつつある英語関連諸分野を求心的につなぎ留める研究・教育原理の確立を目指している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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サアベドラ
4
明治から平成までの、日本の英語教育史。「何年やってもできない」と現行の英語教育に文句を言い、その時の流行りのメソッドに飛びつくも結局は放り出す、を繰り返す日本人のトホホな英語事情が赤裸々に書いてあります。これ読んでると、別に日本人は英語なんてできなくていいんじゃないの?って気分になってきます。2011/05/23
Mentyu
3
日本における英語教育史を明治時代から平成まで俯瞰する内容。この一冊で英語教育史の流れはつかめるのではないかと思う。英語教育が効果を上げた例が明治の洋学導入期を除いてほとんどない一方で、熱病のように英語教育ブームが繰り返されてきたことが分かる。なんというか、救いようのない気持ちになる本だった。2018/03/30
花野
2
現在の日本の英語教育を考える上で大変参考になる本でした。日本人にとって英語はとてもネックな代物であり、歴史からみても日本の英語習得は困難をきわめざるおえない。国民の5%に外国語の実際的能力を持たせるという平泉思案もなかなか的を射ているのかもしれない。また、いわゆる英語は英語で学ぶナチュラル・メソッドへの批判が大正にあったことに驚きました。2014/12/08
ihatov1001
1
明治時代に始まり現在に至るまで100年間の英語教育の流れを綴った一冊です。2023/02/21
wang
1
明治末頃からの英語教育。明治維新以来の英語ブームが来ていた当時に、受験英語の弊害や学生の英語力低下が憂慮されていた。その後も、同様の問題の指摘や画期的英語教授法のブームが繰り返され今日依然として同様の問題が提起される。言語=コミュニケーションツールなのにコミュニケーション重視の英語教育が語られる矛盾を指摘し、文法無視や欧米の児童が使う単語よりも少ない極端な語彙限定を行う教授法に異議を唱える。所詮週数時間の学習で十分な英語力が得られないのであれば、将来独学の基礎になる正確な文法などを学ぶことが重要と。2021/10/25
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