出版社内容情報
第I部: 音韻構造の普遍性と個別性/第II部: 音韻過程と韻律構造の諸相 日英語を対照させてその音韻的相違を浮き彫りにするのみならず、生成音韻論の最新の成果を取り込みながら、日英語音韻現象の表層的差異の根底に言語普遍的な統率原理の働きを突き止め、それを実証的に示す。
内容説明
本書は音韻構造をめぐる日英語比較である。第1部と第2部はそれぞれ自己完結的な論考をなすが、同時に相互補強的な関係にある。2つの論考はともに同じ1つの主題と目標を共有し、生成音韻論の最新の成果を存分に取り込みながら、日英語音韻現象の表層的差異の根底に言語普遍的な統率原理の働きを突き止め、それを実証的に示したものである。
目次
第1部 音韻構造の普遍性と個別性(類型論から見た日英語の音韻構造;モーラと音節;音節量の普遍性;音節構造とアクセント規則;制約理論と音韻構造)
第2部 音韻過程と韻律構造の諸相(音の変化をめぐって;音節構造をめぐって;フットをめぐって;アクセントをめぐって)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ががが
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ストレスとピッチ、音節とモーラなどというように日英のアクセントはその違いばかりに目が行く中で、両言語の共通性を取り出していく。音節量の概念などを見ていくうちに言語の体系の中にある、規則や制約が働いた結果の表層として日英の言語の形式に違いが現れているにすぎないと思わせてくれる。音の単位について少しだけ考えられるようになった気がする。英語のアクセント体系は無秩序の自由アクセントに見えるけど、語彙の起源(ゲルマン系かラテン系)から見当がつけられる、こういうのがシステマティックに分かるとうれしい。2014/10/24