出版社内容情報
「まあ人間てやつはなんてばかなんでしょうねえ!」――妖精のいたずら小僧はこう言って笑うけれども、人間だけでなく妖精の王と女王も加わって、愛と恋との大騒動。真夏の一夜、深い森を舞台に人間と妖精たちが織りなす幻想喜劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おりん
38
面白かった。以前読んだテンペストより面白い。よくできた喜劇で、クスリとくる箇所が結構あった。あとは、喜劇の中で喜劇を上演するというメタ的な構造も良かった。おかげで、劇が終わった後の夢から覚めた感じ、幻想的な感じがよく出ていると思います。所詮この世は夢かもしれない、っていうスタンスは結構好きです。幻想文学やファンタジーが好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。2018/08/19
miki
12
真夏の暑さに浮かされたようにおかしく不思議な一夜。いつか読もうと思っていて、筋も一応は知っていましたが、思った以上に面白かった。人々の思惑が縦横に交錯しながら、糸がもつれてこんがらがっていく。仰々しい物言いや皮肉、ユーモアに溢れていてどこか清々している。ぜひ一度、劇場でその英語を聞いてみたい。2013/06/27
はる
5
アテネの若人四人はお年頃。恋も嫉妬も自惚れも。一人の娘に父親が許嫁た若者がいた。恋人ある若者がその娘の心を奪い相思相愛になったから大変。許嫁対娘、元恋人娘対娘、許嫁若者対若者、若者対元恋人娘、三角四角関係の縺れの解けないバタバタに。当主の婚礼前夜、皆が寝静まったと頃、悪戯好きの妖精が麝香草の花汁を若者に塗ったから更に大変、目覚めた若者の眼に入ったのは元彼女。若者の恋心が瞬間湯沸し器の如く元彼女に首ったけ。恋心の一夜の変貌を誰が知ろう。周りは何が何だか、当の本人さへも分からない・・・・。2021/11/23
syota
5
4人の男女と妖精たちを中心にストーリーが進んでいく。「ヴェニスの商人」や「あらし」は喜劇といっても毒を含んでいたが、こちらは軽妙で罪のないファンタジーの世界。ディズニーがアニメ化しても違和感はないだろう。ここで抜群の存在感を見せているのが、脇役である職人たちの素人劇団。下手をすると妖精の悪ふざけで終わりかねないストーリーが、彼らのおかげで軽妙洒脱な喜劇に仕上がっている。後年の四大悲劇のように人間の内面をえぐりだす迫力はないが、初期のシェークスピアの瑞々しさを堪能できる佳作だと思う2015/01/24
まさこ
1
シェイクスピア作品2作目。 二組のカップルが、妖精のいたずらで一晩振り回され、朝には全てが幸せな結果に収まっている、という楽しい作品。 セリフも普通に笑ってしまうような楽しくテンポのよいもので、あっという間に読めます。 前作と同じく男女の機微や低層の人々の微妙な言い間違いの使い方のうまさにはうなります。 さすが天才。2016/03/19
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