出版社内容情報
絵本で動物たちは次々に出会い、列を作り、塔になり、袋に入り込む。名作を参照し、「空間構成のプロセス」という観点から考察する。
絵本という空間はどのように構成されていくのか。動物たちが塔になり、クライマックスでの崩壊を経て、元の状態へと戻る均衡回復の物語は、積み木の重なりが崩壊するのと同じ知覚体験をもたらす。「空間構成のプロセス」の観点から、絵本特有のパターンを読み解き、絵本が読者にいかなる体験を生みだすのか、人間学をもとに考察する。
内容説明
動物たちはつぎつぎに出会い、列をつくり、塔になり、袋に入り込む。空間構成のプロセスという観点から、「絵本の力」の謎を解き明かす!
目次
1章 絵本はどのように作られているのか―空間構成のプロセスからとらえた絵本論
2章 動物たちが一列で行進する絵本―積み木型絵本とは何か
3章 動物たちがつぎつぎ呑み込まれる絵本―入れ子型絵本とは何か
4章 動物たちが積み重なり合ったり呑み込まれたり―均衡回復の絵本体験
5章 見えない関係が文字によって積み重なる絵本―積み木型絵本の拡張1
6章 絵や文字ではなく関係が積み重なる絵本―積み木型絵本の拡張2
7章 絵本作家が挑戦する積み重なる関係の絵本―絵本の新たな表現の可能性
8章 絵本になぜいろいろな動物たちが登場するのか―均衡回復型絵本のなかの動物論
9章 成長する主人公の絵本―均衡の回復されない絵本論
10章 これでおしまい?―絵本世界の体験を生きる絵本世界論へ
著者等紹介
矢野智司[ヤノサトジ]
現在、佛教大学教育学部教授、京都大学名誉教授。京都大学教育学研究科博士課程中退、教育学博士
佐々木美砂[ササキミサ]
高崎市立図書館図書館司書をへて現在は絵本研究者。梅花女子大学大学院文学研究科児童文学専攻修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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