出版社内容情報
バルザック『アデュー』『金色の眼の少女』,フロイト『夢判断』を分析し,女性性に出会い戸惑う男たちを明らめる一方,女がよむ・かく=自伝を獲得する困難な過程と方法を探る。
【目次】
1 女は何を欲しているのか?―自伝という問題、及び読みの絆
(あとになって加えた序章)
2 女性と狂気―批判的/致命的誤謬
(バルザック「アデュー」)
3 テクスチュアリティと両性性という謎
(バルザック「金色の眼の女」)
4 競いあう妊娠―精神分析は夢から生まれた
(フロイト「夢判断」)
5 あなたは誰と運命を共有していると思っているのか?
―自伝へのたたかい/ウルフ、ボーヴォワール、リッチ
(あとから書いた章)
原注
訳者あとがき
索引
内容説明
“読む”行為に潜む性差に焦点をあて、男性性、女性性の囚われを解き明し、女同士が物語を共有・交換することで自己を“語る”方策を探る。
目次
1 女は何を欲しているのか?―自伝という問題、及び読みの絆(あとになって加えた序章)
2 女性と狂気―批評的/致命的誤謬(バルザック「アデュー」)
3 テクスチュアリティと両性性という謎(バルザック「金色の眼の少女」)
4 競いあう妊娠―精神分析は夢から生まれた(フロイト『夢判断』)
5 あなたは誰と運命を共有していると思っているのか?―自伝へのたたかい/ウルフ、ボーヴォアール、リッチ(あとから書いた章)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さち
4
フロイトの"イルマの夢"について書かれた「競い合う妊娠」のために読んだのだけど、フリースではなくイルマとの関係性による"精神分析の妊娠"や、女性性こそが"精神分析のへそ"であるという論考はおもしろかった。他の章も興味深く、女が自伝的に書く、ということはどういうことか考えさせられた。が、フェミニズムに関する基礎知識がないからたぶん理解は不十分。うーん、きちんと勉強したいな。2016/01/01
真夜
3
文学とジェンダー、「女が書くとはどういうことか?」という問題について、かなり納得のいく方法を取って迫っている。いわゆる女性作家、女性文学の独自性というものを主張するのは好きではないのだが、実際に男性が書いたものと女性が書いたものでは反応が違うという事実やそのことを意識する女性作家の存在することは置き去りにはできない。再読の必要あり。2014/01/19