感想・レビュー
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鵐窟庵
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丹下健三の弟子による建築都市論。都市デザインの黎明期である1960年代、都市化が進んだ1970年代、都市計画への行き過ぎた反動が見られた1980年代の論が集められている。1960年代はアナロジーから都市とは何かを抽象し、それに適切な図式や構造を当てはめてる。その際に分子式やグラフ理論等が引用されるなど演繹的な手法が多い。次第に都市計画の理想と現実の間の調整や運動などの乖離が見られれそれらをどう統合していくか、さらに最後には都市に対する市民への啓蒙主義的論調へと、理想から現実へと収束していくのが見て取れる。2020/02/06