出版社内容情報
なぜ人びとは内面が大切だと思っていても、見た目を意識せざるをえないのか。ハンサムや美人は、ほんとうにモテて、幸せなのか。
なぜ人は「見た目」を意識するのか──これがこの本の問いである。スキンケアやメイクといった美容活動は美容という資本への投資であり、見た目とはその結果である──これがこの本の結論となる。したがって、もしあなたが合理的な人ならば、美容に投資するべきである──これが、この本から読者へのメッセージとなる。
目次
美容資本の理論と方法
第1部 美容の統計分析(美しさに偏りはあるのか―美容資本の測定;どのように美しさに投資するのか―美容資本への投資;投資できれいになるのか―美容資本の蓄積;ハンサム、美人はモテるのか―家族形成への効果;ハンサム、美人は金持ちになるのか―地位への効果;ハンサム、美人は幸せなのか―ウェルビーイングへの効果)
第2部 美容のインタビュー分析(美容整形はビジネスですから―キャバクラ嬢へのインタビュー;人は見た目が100パーセント、内面も100パーセント―美容師へのインタビュー;素肌美人を目指そう―皮膚科医へのインタビュー)
美しさの本質と可能性
著者等紹介
小林盾[コバヤシジュン]
1968年生まれ。成蹊大学文学部教授、成蹊大学社会調査研究所所長。専門:社会的不平等、ライフスタイル、数理・計量社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ERIN
5
自身が社会学専攻なこともあり、世の中の当たり前に対して定量的に迫る姿勢が面白いポイントだった。取り扱う題材もさることながら、美容の因果関係について動機も含めて明らかにしていくプロセスがわかりやすく、すいすい読むことができた。美容への継続的・習慣的な投資の結果が美容資本となり、蓄積と回収の双方向に向かう。2022/07/17
わす
0
大学院卒の容姿レベルが最も高いとは。院生時代は地味メガネでも、卒業後の美容投資額が高いから磨かれるってことか。男女で美容投資の効果がさほど変わらないのも意外に感じた。2023/12/24
みくじら
0
見た目のよい人が年収が高かったり、幸福度が高いというのはなんとなくわかっていても、それを定量的に調査したものはあまり見ない。 調査対象、方法は微妙な部分があるものの、ある程度は実証されてた。2022/06/11
なななん
0
経験的にわかりきってることに対して、その根拠をしっかり述べた本です。見た目がいいと得だよって。人の見た目を資本として捉える。ただ、そうなるとルッキズムにどう対抗できるのだろうか?2021/03/02
n_aizawa
0
☆☆☆:カチカチ進む前半も面白いが、インタビュー分析も味わい深い。「美容は投資である」ってすごくポジティブなメッセージだ。2020/09/15