出版社内容情報
明治期?終戦直後に存在した高等女学校とは、いかなる特徴をもち、その教育はどのようなものだったのか。資料を分析し詳細に紐解く。
女子の中等教育機関として近代日本に存在した高等女学校とは、いかなる学校だったのか。また、良妻賢母教育の内実をめぐって、どんな議論が行われ、どのような教育が実施されたのか。資料を基に、ジェンダー化された教育制度や教育内容を明らかにしつつ、女性が教育を受けることの意味、ひいては女性にとっての近代の意味を検討する。
内容説明
高等女学校とはどのような学校であり、女性が高等女学校で教育を受けることには、いかなる意味があったのか。史資料を詳細に分析し、多角的にその姿を浮き彫りにする。
目次
第1章 高等女学校という学校
第2章 普通教育か実用教育か
第3章 入学・半途退学・卒業
第4章 進学する女性
第5章 就職する女性
終章 高等女学校に行くということ
著者等紹介
小山静子[コヤマシズコ]
1953年熊本市生まれ。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いとう・しんご
8
読友さんきっかけ。僕の母を含め戦前に少女期を過ごした女性たちから女学校進学が憧れだった、と言う話しを随分、聞かされていたので、興味を抱きました。政府の諸規定や統計、先行研究により制度や学生の概要、進学先、就職先などの全体像を教えてくれます。ややネタバレですが「女性にとって近代という時代は悩ましい」P315という著者が漏らす言葉が全体を表しているような気もしました。とはいえ、時や所を問わず、女性にとって家庭とキャリアの両立という問題、あるいは産む性という問題は常に悩ましいものなのかもしれません。2023/09/08