出版社内容情報
戦前期、移民・国内植民の理論はいかなるものであったのか。矢内原忠雄の植民論を軸に分析しつつ、現代のアイヌ民族問題も再考する。
大正から昭和初期において、移民・国内植民に関する理論はどのように展開されたのか。矢内原忠雄の植民論を中心に、新渡戸稲造、内村鑑三、吉野作造らの思想と関連づけて検討する。またその植民論は、北海道における国内植民論としてアイヌ民族との関連でも読み解くことができるため、現代日本の先住民研究との関連で併せて論じる。
内容説明
近代日本における植民思想と、現代のアイヌ民族の問題を関連づけて問い直す。矢内原忠雄、新渡戸稲造らの植民論を社会学的視点から再検討するとともに、こんにちの日本でアイヌ民族が直面する問題にも迫る。併せて社会学者の高田保馬や新明正道の東亜論と矢内原満州論、植民論を比較し、その意義を問う。
目次
第1章 明治新政府と伊達藩―ナショナル・マイノリティとしてのアイヌ
第2章 新渡戸稲造の植民思想―北大植民学派の始祖
第3章 矢内原忠雄の植民論と社会学―行為論的社会認識
第4章 東亜論をめぐる矢内原と高田、新明―科学者の良心を守りぬいたもの
第5章 無教会伝道者としての矢内原忠雄―預言者としての使命
第6章 キリスト教と北海道開発論―神は「未開」を喜ばない
第7章 バチラー及びイザベラ・バードと偶像崇拝―ビクトリア時代の進化思想
第8章 文明化の使命と文明の使命への懐疑―ミルから福澤を経て矢内原へ
第9章 アイヌの末裔と現代―北の大地の地域学習室から
著者等紹介
佐久間孝正[サクマコウセイ]
1943年生まれ。1970年東北大学大学院教育学研究科教育学専攻博士課程中退。現在、東京通信大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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